秋田の家の夢

夜、地下が二階あるカフェで待ち合わせをしている。地下一階で待つことにする。店員の女性は、不愉快でない程度に不愛想で、珍しい感じがする。私は「ホットケーキ」と「夜ホットケーキ」の違いを店員に尋ねると、それらは「セットホットケーキ」と「ホットケーキセット」の違いであり、今の時間帯は後者が得だと教えてくれる。コーヒーが付くらしい。私は後者を注文することにする。しかし店員は「閉店まであと10分ですが…」と言う。私は「早いな」と驚くが、食べ切れる気がしたので、とりあえず注文する。23:30分である。待ち合わせている友人に連絡を取る。

秋田の家(今はない)の一階の居間で、母と弟と話している。横に長く細長い机のこちら側に母が、その左に私が、向かい側に弟が座っている。弟の死の一年ほど前の時間軸らしい。弟は学校の話や数学の話をしている。母が、どこかの高校で害獣が沢山出ていて、そうしたものを完全に駆除するためにも数学が役立つのではないか、と話す。私は、いやむしろ個体数をコントロールするような考え方が数学っぽくないか、と知ったかぶる。徐々に弟がここにはいないことが意識されてくる。私と母が互いを介して弟の幻像を見ているだけなのだ。

秋田の家の二階に上がる。場所は秋田だが、感覚は箕面の家に帰省した時の感じである。ここにいる間、私は二階の部屋に泊まるので、荷物を置きに来たのだ。机について、漫画の模写か何かを始める。窓の外はまだ明るく、近所の人が通るのが見える。外から見れば、長らく空き家のはずの家に人がいるように見えるだろうか。階下の母と何事か話す。

二階のもう一つの部屋との境目に置かれた棚に、水木しげるの漫画が入っている。内容は、貧しい夫婦がやくざ者と手を切る代償として困難な任務に挑む話である。夫婦はあと少しで任務達成というところで、味方であったはずの運転手に裏切られ、さらなる困難な任務に直面することになる。夫婦は敵対するやくざ者の手から、ある書類を奪って帰らなければならない。二人はヘリコプターで敵の車を追い、上空からアプローチしようとしている。夫が降り、書類を奪って弓矢に付けて妻のほうに飛ばす、という作戦のようだ。話はそこで終わっている。

二階のもう一つの部屋で、漫画の模写か何かをする。すると中学のクラスメイトたちが現れ、「やっぱり絵うまいな」などと話しかけてくる。私が「ありがとう」というと、腕相撲を挑まれる。部屋には中学校の机がいくつか現れているが、高さは小学校低学年向けのように低い。そこで腕相撲を始めようとするが、うまく噛み合わない。向こうが右手と左手を間違えているようだ。

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