金箔ペンの夢

実家からどこかに一人で出かけて、夜遅くに帰る。イヤホンをつなぐ機械を、ウォークマンとあと一つ持っている。駅の未来的な長い階段を昇っていく。普段ラジオを聞かないが、聞いてみている。ラーメンでも食べて帰るか(しかしラーメンはちょっと)、と考えている。

パーキングエリアのような、コインランドリーの待合室のような、がらくた置き場のような室内で過ごしている。服をはだけて肌を掻いていると、目線の先に全裸の女性が見える。それは鏡に映っている姿で、AVか何かが映っているものか、実際の人間がどこからか映っているのか判別がつかない。

弟と部屋で過ごしている。弟は、髪形を変えようと思案しているらしい。頭頂部の毛を剃るのの逆で、頭頂部だけ毛を残して後を剃ったら楽ではないか?などと言っている。それではマジックの基本セット第七版の≪強迫≫の人だ、みたいな突っ込みを入れる。楽というなら、丸刈りにすれば楽なのではないか、洗う手間ゼロだし、などとこちらから言う。そのように話しながら、もはや現実の弟が髪形を気にする機会はないのだとどこかで理解している。

グランドピアノを乗せるような大きな円形の木のテーブルに絵を描いている。その中に、アクセントとして金色の図柄を入れようと思う。金でできたクーピーのような、金箔で描く用のペンで線を引く。それを使うと、修正テープを貼るように金箔をきれいに貼ることができる。たまに金箔が少し浮いたようになるが、その時はペンの頭で押してやると、きれいに吸着される。それで、麦のような絵を描く。しかし、金のインパクトが思った以上に強くて、他の絵が目立たなくなるのではないか、と思う。金以外でどんな絵を描いていたのか思い出せない。かといって、金だけで描いていくにはディティールを整えるのが相当手間っぽいし、どうしようかと考える。

ちょっとだけ仮に塗ってある、鍋の図柄の下書きがある。その部分も金箔ペンで塗っていくが、自分では描いた覚えがないので、誰かの落書きだろうかと考える。すると、このテーブルは自分一人で仕上げるものではなくて、皆が適当に描く壁画みたいなやつだったのだろうか。

イルカと戦う男の夢

マジカロス(ゲーム)の従者の一覧表を作っている。そこから従者の名前や装備を追加できる画面になっている。家具を新規追加したところ、こっちが付けた名前を別のものに変えるようシステム側が要求してくる。元の名前から無駄に長くなっているので、なんでやねんと思う。「ラクラークに●●できる書き物机」みたいな名前。

その長い名前について検討していると、「クラークに研究させてやろうか!」という決め台詞の男キャラクターのプロフィールにたどり着く。クラークとはよく分からないが海洋研究者であり、この男キャラクターは狂っていて、何でもクラークのせいにすることで正体不明の攻撃を放つことができる。MOTHER的な敵。

その男のドキュメンタリーが始まる。男はイルカが人類の敵だという信念に取りつかれ、海付近の丘で長年イルカと戦ってきた。その丘にいるとイルカがジャンプしてやってくるので、斧で戦って倒すのだ。イルカは結構強い。苦闘の末イルカの腹に斧が食い込み、脂肪の黄色い色が見える。

男はやがて困窮し、食うに困る状態となる。その時初めてイルカを食べることを思い付く。そこで再び丘に上がると、そこには木に吊るされたり引っ掛けられた人間の死体もあった。死刑囚か何かだろう。男は、その丘にあったものは全て美味に感じたと述懐する。

波打ち際を見ていると、海中から人間大のエイが出現し、尻尾で海面に立った。それはキングコブラのような姿に変わり、次にリバイアサンとなった。リバイアサンは全身が黒く、ところどころ赤く、タッコングの胴体と蜘蛛のような脚を8本持っている。そして巨大である。僕は、胴体がタッコングで脚が8本なのは何かおかしくないか?と思う。これは空想上の合成生物なのではないか?

旅と眠りの夢

誰か友人か家族(判然としない)と旅行に行く。一週間かそれより少ないくらい。フェリーの雑魚寝の船室みたいな宿に泊まるが、自分は夜中に出掛けて午前3時くらいに戻ってきて寝る、というサイクルを繰り返す。

こち亀の両さんになって、旅先の地元の暴力団から仕事をもらう。暴力団の車の後ろの席に座って、何か電卓を弾く作業をする。後ろの席は非常に心地よく、全身弛緩してウトウトする。こんなにリラックスしていいのかと思うが、体に力が入らない。

暴力団の施設にストーブの燃料や資源を届けると見せかけて、いくらかちょろまかす。

さる組織の構成員がまとめて検挙される。その幹部はみな宝のありかを知っており、下っ端はそうしたものは知らない。身分の分からない男が一人、なかなか自白せず、幹部なのか下っ端なのか判然としない。不思議に思っていると、牢屋の壁に大穴が開いていて控室の食器棚の中に繋がっており、こちらの作戦が筒抜けになっていたことが判明する。そこで、控室側からその穴に銃を突っ込み、男を脅して宝のありかを吐かせる。

旅館の馬の夢

先輩のような人(誰だかあいまい)と旅館に来ている。今日は帰る日の朝。気だるい雰囲気。朝食をとって、まだ時間があるので部屋でダラダラする感じ。

馬を順番に見ている。馬のいる部屋を順に回っていく感じ。剥製のようだが、剥製という意識はない。毛が独特に逆立って縞模様になっている(絨毯のよう)馬が出てくる。その馬の写真と実物を見比べて、同じ模様になるように毛を撫でて揃えてみる。先輩はテレビを付けている。その音を聞きながら(テレビは、ラジオのようなノリで馬の獣医の話をしている)。

馬の手綱とかに、数字の形に切られた古びた銀紙が挟まっている。それがカッコ悪いので外すと、先輩が外すなよといって戻す。その時は、その馬のオーナーが先輩で、ここは先輩の家という感じになっている。「何てったってオリンピックだからな(そういうのに出た馬だ)」と言い合う。「もう乗らないんですか?」と先輩に言おうとするが、言わない。

そろそろ昼食に行ってそのまま帰るか、という雰囲気を僕が出し始めたので、先輩はテレビを消す、ないしチャンネルを変えてメニュー画面みたいなものに戻す。

客死する夢

旅の途中であるエリアに閉じ込められ、そこにひしめくグールによって殺される運命にある。Gやその他の仲間は既に殺され、グールの一員になっている。

赤土でできたような塔のような建物の二階あたりに上る。そこから上には行けない。空間は広い。ガラスの嵌まっていない窓からはかつて仲間だったグールが見える、またはその横を通ってここまでたどり着いた。階下にはGが迫っている。

Gには、後で自分を殺させるという約束で、先に犠牲になってもらった経緯がある。一週間とかそこで経過している。Gは死んでおり、そこにGはいないが、何かグールを生み出すカビの作用によってGの脳から情報が引き出され、あたかもGと会話をすることが可能なように見える。しかしそれは見かけだけだし、もはや運命に何の変化する余地もないのだ。

Gと会話を交わす。笑えるほど普通にコミュニケーションが取れるように見える。「笑えるほど意志疎通できるな」と言うと「同じ×××青カビの作用ですからね」(?)と返ってくる。その顔は緑がかって黒ずんだ死体である。

やはり人間、穏当にやっているつもりの時もいつ死ぬか分からないと改めて思う。まだ何もかも途中だ。

クリオネのイニシエーションの夢

弟が通っていたのと同じ中高一貫の男子校に通うことになる。入学式にジャージで行く。教師は威圧的で、どちらかというと自分が通っていた高校に似ている。ジャージで来たことを咎められ、完全にゴミを見る目で「次から制服で来い」と言われる。確かに、制服があるのになぜジャージで来たのかと自分でも気付いて辛くなる。

創意工夫のあるイニシエーションが多数用意されているらしい。手のひらサイズのクリオネやミズクラゲが泳いでいる水槽をズラッと並べ、教師がそれを手づかみでガツガツ食い始める。終始無言。それに触発された同期たちが、何も指示されないうちから前に出ていき、同じようにクラゲを食べる。この儀式は、命を食べる体験をさせるためとかだろう。教師が「オレもしんどいからとっとと食え」的なことを言う。早く食べた者から偉いと見なされる、合理的にしておぞましい同調圧力。

とにかく何回か恥をかく。

場面が代わり、漁村。ここでは村人に処刑されて生首となった男が、なお動いたり人を操ったりして害を為しているらしい。龍神の祟りの類いだろう。

ルフィは、太刀を帯びた屈強な男一名と共に、沖の小島へと出向いて祟りを止めようとする。が、屈強な男の背中には既に生首が取り付いていた! 男は生首に気付き、矢をつがえようとするが、矢がない。見ると、ルフィがその矢を持って波の向こうに行くところだ。ルフィは生首側の人間だったのか? 男は「おい」と声を掛けようとするが、矢の所在が分かればそれでいいと考え、止める。矢さえ生首に渡さなければ大丈夫ということか。

やがて島に着く。そこは石造りの遺跡であり、男は屋上から、ルフィは一階から攻略する手はずだ。と、ルフィが「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだー!!」と叫びながらトラに追いかけられてこちらに走ってくる。結果として、ルフィは生き残るが男はトラに食い殺されてしまう(黒い修正が入る)。鎌首をもたげるようにこちらを見るトラのカット。

場面が代わり、ビートルズの知らない曲を覚えたり歌ったりする。

学校のイベントのような場で、友人がステージに上がって熱唱する。それを半ばバカにする生徒もいて、不愉快に思う。

座敷の夢

何かの事情で過去にタイムトラベルし、閉鎖されたテーマパークを訪ねる企画に参加する。主催は男性の漫画家(現実には面識なし)と、当時はデビュー前だった女性の漫画家(同じく面識なし)と、あと一人くらいで、企画というか小さなオフ会のような感じ。

集合し、バスで現地に行く。テーマパークに入り、古い座敷に立ち入る。その大広間では天井が低く広く垂れ込め、薄暗く、オフィスの廃墟のようである。ここで人が死んだのか、大量の血痕が付いたパソコン台がある。それとは別に、熊に襲われたのか何なのか、人がここで死んだらしい。あるいは同行者の一人が目の前で死んだのかも。(思い出せない。後から挟まれたシークエンスかも)

別の事情で再びタイムトラベルすることになり、もう一回同じ企画に参加する。事情とは、自分の服のシワを描き直すとかそんな感じのメタな理由。

バスの中で男性の漫画家と雑談をする。「どんな雰囲気か分からないので何を着てくるか迷いました、結局思いきり普段着ですけど」「服で迷ったら、行く場所にいる他の人の服装に合わせるといいよ、仮に会にはそぐわなくてもその場所自体には合うから」云々。自分がタイムトラベラーであり参加者との出会いが2回目であることは特に隠さないが、突っ込まれもしない。

バスから降りた時、因果をいじってはいけないな、と何となく実感する。これが最後のタイムトラベルのつもりだったけど、実際最後にしよう。一度因果を操作してしまうと、無数の些細な偶然に支えられた現実というもの自体がばからしく思えてきてしまう。もう元には戻れない。

今回は未亡人の人が参加している。前回のタイムトラベルの時に見た死者の妻だった女性らしい。

テーマパークは大学の敷地内にあり、バス停からすぐ行ける。ただし早めに着いたので、どこかで時間を潰す必要がある。と、男性漫画家がバス停後ろの敷地にどんどん入っていく。そこは大学の畑であり、部外者が立ち入るのは少しまずいように思われる。その奥にテーマパークがあり、近道になるのだ。

入ってもまだ開いてないですよ、などと声をかけつつ、自分も後についていく。ふと斜め後ろを見ると、小型犬くらい大きいネズミのような白い毛の動物が生息していて、ツタか何かをかじっており、ぎょっとする。

そのまま座敷に入ってみる。今回は廃墟ではなくきれいに整えられた座敷だ。お寺のような場所。しかし、まだ開園前なのでかなりとっ散らかっている。天井は低く広く垂れ込め、薄暗い。が、中庭側からは光が入ってきている。大きなネズミのようなものがあちこちにいる。日々、係の人が開園前に全部追い出すのだろうか。

子犬や、平安貴族か鳥獣戯画のような格好の小さな人たちがいる。いや、人ではなく何か動物に布が引っ掛かってそう見えるだけだろう。あたりは静かで暗く、神秘的で、来てはいけない所に来ている感じがする。僕はスマホを取り出し、そこらの写真を撮り始める。狼のようなシベリアンハスキーのようなものもいる(ちょっと怖い)。その瞳は水色に光っている。幼い子供たちが大勢遊んでいて、保育園のようである。子供たちは走り回っているので撮りにくい。連写機能を使って撮るが、なかなかうまい絵が撮れない。

前回、血まみれになっていたパソコン台も撮る。と、未亡人の参加者が写り込んでしまう。その姿は幼い子供のようになっており、髪は長く、それも子供のような髪形。

「あ、すみません、撮ったわけじゃないです」的な言い訳をすると、その女性は笑って、それから亡夫の死について質問し始める。死の状況を知るためにこの企画に参加したのだろう。

「あれ(夫)も守られて死んでいましたか?」

返答に詰まる。何かをかばうとかかばわれるとか、そういう感じの死ではなかったはずだ。どう答えたものか。そもそもよく覚えていない。

そのまま目が覚める。

二人目の弟の夢

母と大学の辺りに行く。そこの立体駐車場(実在しない)で弟と待ち合わせて、母は車でどこかに行く。弟は大学に用があるようなので、そこまで弟を送って別れることにする。

歩きながら、実はうちは三人兄弟だったんだな、次男にあたる弟は死んだが、三男の弟は生きていたんだと気付く。それが今一緒に歩いている弟だ。次男と三男はとてもよく似ているが、三男の方が(当たり前だが)年下で、あどけない面が多いようだ。

しかし、三男の名前がどうしても思い出せない。そこで、三男に直接訊くことにする。自分は記憶が混乱しているらしくて、お前の名前が思い出せない、と言うと、三男はうろたえ気味に答え、その発言が要領を得ない。

大学食堂の辺りがすっかり様変わりし、白くてピカピカの未来的な建物がある。エレベーターの扉が全面サイネージ広告になっていて、危ないなあと思う。