春のワルツの夢

山が登場する。裏山のような小さな山である。登山練習コースのようなものが敷かれている。

ドラゴンボールのクリリンの原画か何かがショップに出ているという。それはドラゴンボールの原画展の後、回収されずに忘れられていた絵を、さる西洋人が見つけ、展の運営元に返却を申し出たところ、あろうことか「オークションに出してください」という指示を受けたためであるという。

オタクグッズのショップでは、他にもドラゴンボールの「どんつくどどんぱシール」といったような名前のシールが話題になっている。何でも、そのシールを玄関先に貼っておけばドラゴンボールのファンであるということが伝わり、泥棒が入らない、という話が流布しているらしい。そのためシールはどこも売り切れで、ショップ側は「この店になければどこにもないですよ」などと言っているほどだ。

何となく、ショップを見ていくかという気になり、ショップに入る。一階はとばしてすぐ二階に上がる。一階に積まれているプラモが見える。二階に上がると、そこは図書館や自習室のあるロの字型の廊下である。学校とも繋がっているらしい。学校のエリアはガラスで遮断され、入るには入場証が必要なようだ。

その手前で、妙に露出の多いマッチョな男がいる。上半身は薄っすら透けた黒の肌着を着て、下半身はパンツ一丁だ。それに対し、金髪の女性が楽し気に対応している。周囲や学校エリアの中にも、外国人らしいマッチョな男たちを何人も見かける。今日はマッチョ・デーとでもいうような行事の日らしい。

外に出る。風が強く、ワルツのリズムに合わせて体が飛ばされ、くるくると回転しながら動いてしまう。BGMで「美しく青きドナウ」が流れている。それに合わせてそこらを歩いていく。春めいていて、大学と自然公園が混ざったような場所である。

いつしか山にいて、風に飛ばされながら宙に浮いて移動している。川の横の土手を飛ばされながら進んでいく。川の方に飛ばされたら一大事であり、実際一回飛ばされそうになるが、無事に済む。風に飛ばされながらの移動は、ウインディングと呼ばれるスポーツにもなっているらしい。だが、今日のような冬の日に、装備もなしに素人がやるのは危ない、とおっちゃんが教えてくれる。言われてみれば、道端には雪が溶け残っている。縁日のようなテントと人手の間を歩いていく。「美しく青きドナウ」はずっと流れている。

無意志カードの夢

映画。ヨーロッパの都市。孤児院から出てきたような女の子が街を歩いている。女の子は行く先々で妙に尊重されるが、本人はややしかめ面寄りの無表情のままで、意志がないかのようである。

私は少し前のヨーロッパの銀行のATMのような場所で、無意志カードを作る。専用の機械で、指紋か血液の認証のようなものを受けて発行する。窓口の人とやり取りする。無意志カードとは、人間としての何かを手放す代わりにタダで買い物ができる類の、社会SFっぽいカードであろう。

達観したような若い僧侶が、女の子(先程とは別)から相談を受けている。私は漫画を描いている。9つのグリッドが付いたパースのかかった塀を、正面から見た、パースのかかっていない絵に描き直す。すると、漫画として非常に分かりにくくなってしまったので、苦悩の末、再び描き直すことにする。

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描き直す内容はいつしか、ごちゃごちゃした倉庫背景の絵になっている。でかいミシンのような金属製の古い機械を描く。それは青く塗装されている。ポスカラでその青を描いていく。油絵のように、既に塗ってある部分に上塗りしていく。作業している場所はいつの間にか、その絵のようなごちゃごちゃしたガレージになっている。左側にシャッター(上がっている)があり、外は日が射して暖かい。

電車に乗る。赤い革のジャケットを着た男が登場する。彼は少しずれた男であり、体格はよくなく、顔は温厚で当たり障りなく、とんちんかんな動きをして怪訝がられる。電車の横長のシート(といいながらバスの後部座席に似ている)に女性二人が座っていて、そこにジャケットの男が乗ってくる。シートの右半分が空いているのに、なぜか男は女性二人を右によけさせ、左に座ろうとするなど、おかしな動きをする。私は別の席に座っているが、目の前にベビーカーを押した男が乗って来たので、席を譲る。私は隣に立った男に「一番右側の赤いジャケットの男は、おかしい」と話す。

車窓から街を眺める私、キムタクのような男はある種の能力者である。私の能力は「相手と自分の願いが同じだったときに、素敵な思い出を無数に作る」というものだが、その後能力界の勢力図が変わったので、この能力は誰かの下位互換になってしまった。

電車を降りる。一瞬、誰かの描いた漫画のページになる。ティム・バートン系のデフォルメのアマチュアの絵柄で、駅のホームと陰鬱そうなキャラクターが書かれている。ホームにある椅子か何かの土台の金属部分は、万線を入れた上にホワイトで無数に×が描かれている。テクスチャ処理かと思ったが、そのさまは作中で「血管が浮き上がっている」と呼ばれる。

同じホームで電車を乗り換えようとする。このまま実家にいったん帰ろうかと思うが、すぐ年末だから、今日のところは家に帰ろうと考える。アナウンスで自分の名前が呼ばれ、「落とし物のスマホを預かっている」という。私は慌てて駅員さんたちに声をかける。「すみません」と目の前で言っても聞こえないようなので、何回目かで大きく「すみません!」と言う。女性の駅員が少し驚きながら、応じてくれる。線路で作業中の駅員がカギを拾い上げる。私はカギも落としたのかと思うが、自分のカギはポケットの中にあった。

男性の駅員がやって来て、落とし物を受け取るための書類に記入してくれという。その書類にはふせんが何枚か貼ってあって、そこは指示通りに書いてくれないと困るという。「外出理由」の欄があり、「折角」のところにマルが付いている。住所欄には「中野区××(分からない)2-7」と書かれている。「私、葛飾区なんですけど…」と言うと、駅員に「だからぁー!(指示通りに書けよ!)」と凄まれる。私はこのようにして無意志に誘導されることだ、と悟る。

高所の家の夢

大学か、大学院を卒業できず、あるいは入学できず、もう一度大学に入り直すか、予備校に入り直すことになる。予備校でたまたま出会った前職の同僚が、もっとよい別の運命を辿ることになっている。私は最初から授業に遅れたり、想像以上に何もできなかったりしている。
 
古く巨大な小学校のような建物で仕事をしている。木製の廊下はやたらと滑る。目的地になかなかつかない。同じ小学校で働いている、大学の先輩とたまたま出くわし、しかし互いに別の用事へ向かっているところであるので、一瞬ですれ違っていく。そうしたことが二回ほど続いたので、「残念な『君の名は』みたいだね」と言い合う。

実家が引っ越すらしい。母に新しい家へ案内してもらう。それは作りかけのショッピングゾーン(野外にあるモールみたいな場所)のふもとにあり、まだテナントが入っていないが、これから大層賑やかになりそうな場所だった。まさしく商店街の入り口のような場所の手前にある。商店街は坂である。そして家の裏手は崖になっており、ガラスの手すりが設置されていて、見下ろすと遥か眼下に緑の大地、街々、ロの字型の城といったものが見える。RPGの広域マップ、あるいは航空写真のような非常な高所なので「高っ!!」と驚き、「これ大丈夫なの?」と尋ねる。

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秋田の家の夢

夜、地下が二階あるカフェで待ち合わせをしている。地下一階で待つことにする。店員の女性は、不愉快でない程度に不愛想で、珍しい感じがする。私は「ホットケーキ」と「夜ホットケーキ」の違いを店員に尋ねると、それらは「セットホットケーキ」と「ホットケーキセット」の違いであり、今の時間帯は後者が得だと教えてくれる。コーヒーが付くらしい。私は後者を注文することにする。しかし店員は「閉店まであと10分ですが…」と言う。私は「早いな」と驚くが、食べ切れる気がしたので、とりあえず注文する。23:30分である。待ち合わせている友人に連絡を取る。

秋田の家(今はない)の一階の居間で、母と弟と話している。横に長く細長い机のこちら側に母が、その左に私が、向かい側に弟が座っている。弟の死の一年ほど前の時間軸らしい。弟は学校の話や数学の話をしている。母が、どこかの高校で害獣が沢山出ていて、そうしたものを完全に駆除するためにも数学が役立つのではないか、と話す。私は、いやむしろ個体数をコントロールするような考え方が数学っぽくないか、と知ったかぶる。徐々に弟がここにはいないことが意識されてくる。私と母が互いを介して弟の幻像を見ているだけなのだ。

秋田の家の二階に上がる。場所は秋田だが、感覚は箕面の家に帰省した時の感じである。ここにいる間、私は二階の部屋に泊まるので、荷物を置きに来たのだ。机について、漫画の模写か何かを始める。窓の外はまだ明るく、近所の人が通るのが見える。外から見れば、長らく空き家のはずの家に人がいるように見えるだろうか。階下の母と何事か話す。

二階のもう一つの部屋との境目に置かれた棚に、水木しげるの漫画が入っている。内容は、貧しい夫婦がやくざ者と手を切る代償として困難な任務に挑む話である。夫婦はあと少しで任務達成というところで、味方であったはずの運転手に裏切られ、さらなる困難な任務に直面することになる。夫婦は敵対するやくざ者の手から、ある書類を奪って帰らなければならない。二人はヘリコプターで敵の車を追い、上空からアプローチしようとしている。夫が降り、書類を奪って弓矢に付けて妻のほうに飛ばす、という作戦のようだ。話はそこで終わっている。

二階のもう一つの部屋で、漫画の模写か何かをする。すると中学のクラスメイトたちが現れ、「やっぱり絵うまいな」などと話しかけてくる。私が「ありがとう」というと、腕相撲を挑まれる。部屋には中学校の机がいくつか現れているが、高さは小学校低学年向けのように低い。そこで腕相撲を始めようとするが、うまく噛み合わない。向こうが右手と左手を間違えているようだ。

泥の大黒さまの夢

農場にいる。バイト先のようである。廃屋の屋根から大きな板が垂れ下がって、坂のようになっている、という感じの坂を登る。植物が這っている。泥でできた大黒さまのような像の残骸を見かける。私は写真を撮りに来たようだ。「農場の人に許可を取っておくべきだったかな」と頭の隅で思う。

坂の天辺で、板は垂直に垂れ下がっている。そこを飛び降りると、廃屋の屋根に着地する。前方には大きな岩肌があり、岩肌に半ば埋まるようにして、仏教的な大聖堂がある。あるいは、何か神秘的な出来事や物があったのだが、思い出せない。ここは聖地、死地の類であり、禁足地である。私は正面から写真を何枚か撮る。

命を捨てに来たような黒人の青年がいる。急に画面はペイントソフトに切り替わり、彼の肌を塗るには緑を塗って、その上に乗算で茶色を乗せるのがいいだろうか、などと操作する。画面は元に戻る。この青年は、誰かに「待って」と止めてもらいたくて、この死地までやって来たのだという。彼は寂しげに、諦めたように歩いて行く。私は「待って」とは言えずに、彼を追いかけようとする。道端のL字型の角に泥の塊がどちゃっと落ちてくる。それは泥でできた布袋さまであり、生きていて、歩きだす。道の向こうから、同じく泥の大黒さまや、石材でできた弁財天のようなものもやって来る。事態は明らかに異常である。禁を犯したために土地の異様なものが動き始めたのだ。

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青年は門をくぐって墓地に入っていったようだ。気付けば門は締め切られている。門には張り紙が張られており、そこには墨で「こんな事態を引き起こしたのは誰か!」と怒る文言が書かれている。大聖堂の方に戻ってみると、大聖堂は爆破解体され、今しも火花を上げているところである。私は驚きつつも写真を撮る。人が大勢いる。

古い駅舎のような、フェリーの待合所のような土地の施設に人が集まっている。私のデジカメは見咎められ、「ここで撮ったものを持ち出させるわけにはいかない」としてデータを消されそうになる。私は「プライベートな写真が入っているから、自分で消させてくれ」と食い下がる。それは許されるが、果たしてどうするべきか葛藤する。

宙に立つイノシシの夢

バスで仙台へ行く。用事があるわけではなく、何となくである。どう過ごそうか考えている。リムジンバスのようなバス。

目的地に着き、汽水域を左側に臨む道を何となく歩いている。水の中に大きなイノシシが立っていることに気付く。そのイノシシは、次に見ると空中に立っている。常識外れに大きい。牙が怖い。黄色っぽく、とても強そうである。一瞬、首だけが非常に細くもなる。スマホのカメラを向けて写真を撮ると、こちらに気付いて頭を向けてきたので、私は恐れて離れようとする。

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水中に恐竜サイズのオットセイがいることに気付く。その巨大な影が水面下を勢いよく泳ぎ、水面が大きくうねる。こんなものがいたのかと驚く。

半地下のような木の部屋で、中国の清の人のような人たちと打ち合わせをしている。我々はレジスタンスのようだが、恐らく首尾はよくない。毛沢東は、その活動初期にはパチンコ玉をぶつけられることもあったという。まだ要人になっていなく、警備が薄かったためである。毛沢東はパチンコ玉をぶつけられ、それがひやっと冷たいので、最初は一瞬、雨かと思った。

階段を上がって地上に出る。すぐ後ろをラグビー選手が歩いていて、急かされるようである。出ると正面にベンチがあり、松本零士のような、どこかで会ったこともあるかもしれない人物が座っている。横に女性がいる。このリゾート全体がサナトリウムのような療養所、あるいは一時休憩所の雰囲気をまとっている。左を見るとビーチがあり、テントのようなものが多数設営されている。人影と砂浜は直接は見えない。