弟の病の夢

実家(存在しない建物や町)。弟が急病にかかり、僕は帰省のついでにタオルケットなどを買っていくことになる。事情で自転車を途中に停めたり、乗ったり、真っ直ぐ進まない。

弟の容態は悪く、全身がむくみ始めている。

母と弟と共に、親戚か誰かの家に着く。そこに医者を呼ぶ手はずのようだ。自転車の在りかについて母にややこしい説明をすると、母が混乱する。

一旦目が覚める。

僕は二階にいる。そこに医師が到着する。母が弟を運び込み、座椅子のようなベッドに寝かせる。弟は顔が赤黒くなり、身体は黄色く青ざめ、非常にむくんで体躯は縮まり、悪鬼のような体型になっている。誰もが危機感を隠せない。弟は苦しそうだが意識ははっきりしており、医師に伝えられることは自分で伝えている。

一旦目が覚める。

そのままその家に泊まり込むことになる。親戚や友人が家に集まっている雰囲気である。ややあって、僕は弟の様子を見に行くことにする。

三階に上がる。弟の横で、医師の先生も横になっている。先生は僕に気づくと起き上がろうとするので、「どうぞそのままで」と伝える。弟の外見はかなり回復を見せており、体躯は元に戻っている。目にも光が戻っている。僕は喜び「いける感あるやろこれ、うん」と言う。弟も笑顔を見せる。しかし肌が透けており、喉の辺りに黒い塊が見えたり、春菊のような野菜が皮下にあるのが見える。持ち直したと聞いて皆がドアから殺到するが、友人が「病人を疲れさせてはならない」と周りを制してくれる。僕は弟の手を取って励ます。

階段を下りながら、これらのことが虚構だと薄々分かっている。

確かな未来の夢

実家。深夜。寝なければならないが、一人まだ起きている。リビングでPCを見ている。たまたまそういうサイトに行き着いたとかの流れで、英語か何かのおさらいをしている。明日は週の始めであり、学校か何かである。曜日を数え、次の休みまで四日か、まあ今週は短くて良かったな、などと考えている。もう午前2時とか4時は回っていると思う。

母が起きてくる。僕はトイレにいる。母は僕が起きていることで怒っているかと思うが、意外にも怒ってはいない。僕はYシャツか何かを着替えてトイレを出る。時計を見るとまだ一時半であり、得した気分になる。

夕食前。母は台所に立ち、弟は何か課題があるらしく、テーブルで紙に何事かを書きながら考えている。僕は気楽に過ごしていて、弟の邪魔をする。

弟は考えあぐね、「やはりここからは泥臭い作業をするしかないか……」などと言っている。僕は、大海に落ちた目標点を目指して泳がねばなるまい、と茶化して、それを絵に描く。

確かな未来

「確かな未来」と名付けよう、と言って絵を提出する。「当てどない徒労」という茶化しだが、雰囲気は和やかである。

硫黄島の夢

実家。弟、母、父が出てくる。

トイレに入ろうとすると弟が先に入る。順番を待つ。父がさらに列に加わる。

確定申告のことで引っ掛かり、母に話す。弟が、右辺がゴルゴ1、ゴルゴ2、ゴルゴ3……ゴルゴ13になる数式を順に紙に書いている。

就活か何かで硫黄島を訪れる。案内者はメガネの女子であり、他何人かで来ている。硫黄島は周囲数百メートルの小島だが、全体が特殊な岩石の砂利で埋め尽くされており、歩くと岩石がカチャカチャ音をたてる。

曇った緑色の岩石を見つけて拾う。

緑色の岩石の塊を見つける。メガネの女子は驚き興奮する。これは一見エメラルドとかではないが、磨けば分からない。何らかの産業になるかもしれない。しかし岩石の総量はあまりなさそうである。

半地下になっている空洞を見つける。そこには円柱状にピンクの岩石を繋げた棒や、マストのミニチュアのような棒状の岩石が斜めに立っていた。メガネの女子は驚き興奮する。これらはスペイン人が残した人工物のように見えるが、鍾乳石のような自然物なのかもしれない。いずれにせよ貴重であり、手を触れて壊せば何らかの犯罪に当たるだろう。傍らにゴルフバッグのようなものが置いてあるが、これは今日別の場所から上陸した来島者が置いているだけだろう。そういえば、こういう島から石を持ち帰ることは違法であるから、さっきの緑色の石も駄目だと気付く。残念だ。

海底のアトランティス遺跡に来ている。キトラ古墳のように、これによく似た様式の遺跡がヨーロッパにあるが、いずれが古いかは分かっていないらしい。

アトランティスの隅っこにあるトイレに入る。

昭和のパレードの夢

保健室のようなところで中学のクラスメイトと授業を受けている。それは女性教師とクラスメイトと僕の三人で簡単なゲームをやるというもので、我々は模造紙を広げて升目を書き、そこにマジックインキで書き込んでいく。最後に点数を足していくが、女性教師は全体的にいい加減で、授業としてもゲームとしてもいまいち成り立っている気がしない。僕は頭が回らず、計算がなかなか終わらない。クラスメイトは誰だか一定せず、さほど親しくないが、悪意もなく振る舞ってくれる相手のようである。どこか台風の日のような感じである。

映画の一コマ。「村に住む○○の父は馬を下知されており、それに跨がって一路旅をする云々」裸で馬に乗る、筋骨たくましいひげ面の男。中世の日本か西洋。辺りは土や岩剥き出しの荒れ地である。男は街外れにたどり着き、水飲み場から柄杓で水を飲む。男は昔のモールのような通りめいた屋内に入っていく。何かの任務を帯びているようだ。

男を追う者たちが現れる。四人ほどで紋付き姿である。彼らはさほど焦っておらず、身内話をしている。格上らしい男が懐から拳銃を取りだし、思わせ振りにチェックする。よもや激して仲間を撃つのではないか。しかし何事もなく、男たちは去っていく。一方、追われていた男は黒装束に着替えて建物から出、旅を続ける。

通りめいたモールに放送が響き渡る。通例のパレードが今から始まるようだ。客は道の端に退避するよう勧められる。ばけものが通りの真ん中を駆け抜けるため、その勢いは黒い獣の如し云々。僕は貧民のようになっており、パレードに喜びながら道の端にもたれる。やがて異様な雰囲気が始まり、狂った馬が道を駆け抜ける。追われていた男の任務はこれに参加することだったのかもしれない。

僕は昭和めいたデートで古いモールに来ており、そこでパレードに行き当たったらしい。パレードは見世物小屋の風情で、病人や身体障害者を異様な者として登場させる代物である。が、あからさまな作り物や安っぽい扮装も多く混じっており、そういう感じである。客はめいめい辺りに座り、パレードは廊下を勢いよく駆け抜けていく。僕は建物の奥に進んでいたため、運よくパレードが出てくる場所に陣取ることができた。パレードは一直線ではないため、ここだけが全キャラを見れるのである。僕は雰囲気に興奮し、来てよかったと同行者に話す。パレードの中のぬらりひょんのような男が、僕の背後にいた子供に「ぬらりひょんでしょ!?」と話しかけられる。ぬらりひょんは口を開かず、自分の頭を指さしたりしてそれっぽく振る舞う。何らかの妖怪が、僕の隣の隣にいる茶髪ボブカットの女に寄ってきて言う。「願ったな、では対価は?」ボブカットの女は持っていた風船を妖怪に渡す。どうやら、心中に願ったことを察知して叶えてくれる類の妖怪らしい。妖怪は立ち去り、女は「パレードでよかったわ。本物なら私は今頃……」とつぶやく。

係の人たちが後片付けを始めている。白い三角巾を付けたパートのおばちゃんたちが、くたびれたテディベアを鉄の骨組みむき出しのリヤカーに積見込んでいる。テディベアは一つ一つ鉄の籠に入れられており、全体として篭の重量の方がはるかに重そうである。おばちゃんたちは昭和風の非効率さをかこち合う。しかし、これがここのフレーバーでありルールなのだ。

僕とデート相手とその友人の女性は道端のテラスで一息つく。そこに皿洗いの女性たちの列が通りかかる。僕は皿を割ったか、あるいは単に彼女らに話しかけただけだが、彼女らの動きにたちまち巻き込まれ、モール内のファミレスへと連れ去られてしまう。このモールには就活生が全く来ないので、働き手を貪欲に求めているのだ。僕は何とか逃げ出し、デート相手の元に戻ろうとする。足が重く歩きづらい。辺りは日曜で、花見の公園のように子供がうろついている。二人は待っていてくれ、何とか合流できた。