昭和のパレードの夢

保健室のようなところで中学のクラスメイトと授業を受けている。それは女性教師とクラスメイトと僕の三人で簡単なゲームをやるというもので、我々は模造紙を広げて升目を書き、そこにマジックインキで書き込んでいく。最後に点数を足していくが、女性教師は全体的にいい加減で、授業としてもゲームとしてもいまいち成り立っている気がしない。僕は頭が回らず、計算がなかなか終わらない。クラスメイトは誰だか一定せず、さほど親しくないが、悪意もなく振る舞ってくれる相手のようである。どこか台風の日のような感じである。

映画の一コマ。「村に住む○○の父は馬を下知されており、それに跨がって一路旅をする云々」裸で馬に乗る、筋骨たくましいひげ面の男。中世の日本か西洋。辺りは土や岩剥き出しの荒れ地である。男は街外れにたどり着き、水飲み場から柄杓で水を飲む。男は昔のモールのような通りめいた屋内に入っていく。何かの任務を帯びているようだ。

男を追う者たちが現れる。四人ほどで紋付き姿である。彼らはさほど焦っておらず、身内話をしている。格上らしい男が懐から拳銃を取りだし、思わせ振りにチェックする。よもや激して仲間を撃つのではないか。しかし何事もなく、男たちは去っていく。一方、追われていた男は黒装束に着替えて建物から出、旅を続ける。

通りめいたモールに放送が響き渡る。通例のパレードが今から始まるようだ。客は道の端に退避するよう勧められる。ばけものが通りの真ん中を駆け抜けるため、その勢いは黒い獣の如し云々。僕は貧民のようになっており、パレードに喜びながら道の端にもたれる。やがて異様な雰囲気が始まり、狂った馬が道を駆け抜ける。追われていた男の任務はこれに参加することだったのかもしれない。

僕は昭和めいたデートで古いモールに来ており、そこでパレードに行き当たったらしい。パレードは見世物小屋の風情で、病人や身体障害者を異様な者として登場させる代物である。が、あからさまな作り物や安っぽい扮装も多く混じっており、そういう感じである。客はめいめい辺りに座り、パレードは廊下を勢いよく駆け抜けていく。僕は建物の奥に進んでいたため、運よくパレードが出てくる場所に陣取ることができた。パレードは一直線ではないため、ここだけが全キャラを見れるのである。僕は雰囲気に興奮し、来てよかったと同行者に話す。パレードの中のぬらりひょんのような男が、僕の背後にいた子供に「ぬらりひょんでしょ!?」と話しかけられる。ぬらりひょんは口を開かず、自分の頭を指さしたりしてそれっぽく振る舞う。何らかの妖怪が、僕の隣の隣にいる茶髪ボブカットの女に寄ってきて言う。「願ったな、では対価は?」ボブカットの女は持っていた風船を妖怪に渡す。どうやら、心中に願ったことを察知して叶えてくれる類の妖怪らしい。妖怪は立ち去り、女は「パレードでよかったわ。本物なら私は今頃……」とつぶやく。

係の人たちが後片付けを始めている。白い三角巾を付けたパートのおばちゃんたちが、くたびれたテディベアを鉄の骨組みむき出しのリヤカーに積見込んでいる。テディベアは一つ一つ鉄の籠に入れられており、全体として篭の重量の方がはるかに重そうである。おばちゃんたちは昭和風の非効率さをかこち合う。しかし、これがここのフレーバーでありルールなのだ。

僕とデート相手とその友人の女性は道端のテラスで一息つく。そこに皿洗いの女性たちの列が通りかかる。僕は皿を割ったか、あるいは単に彼女らに話しかけただけだが、彼女らの動きにたちまち巻き込まれ、モール内のファミレスへと連れ去られてしまう。このモールには就活生が全く来ないので、働き手を貪欲に求めているのだ。僕は何とか逃げ出し、デート相手の元に戻ろうとする。足が重く歩きづらい。辺りは日曜で、花見の公園のように子供がうろついている。二人は待っていてくれ、何とか合流できた。

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