キリスト教の劇の夢

幼稚園か小学校の出し物で劇をやることになっている。そのリハーサルを体育館で行った。自分は進行やセリフを全然覚えておらず、本番を無事にこなせるとは思えない。

小学校の時住んでいたような家。母に「3点ほど確認したいことがある」といって、台本上の不明点について訊こうとする。母は学校側のボランティアか何かで劇に関わっている。母は、劇については「まだゴタゴタしているところがあって、確定してから伝える」というような返事をする。

劇の中で聖書の文章を言う部分があり、その箇所について自分なりに調べている。机につき、色々な訳の聖書(4~5冊)を参照する。それらの装丁はすべて新共同訳と同じで、黒色の表紙である。できうれば、言うセリフは自分で適切だと思うものにしたい。

劇当日。自分は同級生の女の子を殺したらしい。劇を自分の思い通りに進めたいという思惑から、策謀のため、拳銃で撃って殺した。そのことはまだ露呈していないが、こんな劇のために全てが終わってしまうことを思って絶望する。

無かった祭りと母の同人誌の夢

現実にはない、古くて大きい実家。大掃除中のようである。大きな螺旋階段を昇降していると「すうぱあかぐや姫」の単行本を見つける。それは母の所持品のようで、1巻だけであり、古い。

僕が室山まゆみのファンなのは知っているだろうに、なぜこれを隠していたのかと母に訊くが、母は曖昧に濁す。出てきた「すうぱあかぐや姫」を読んでみると、タッチが荒くて古さを感じさせる。「どろろんぱっ!」のプロトタイプのような幽霊譚になっている。主人公の少女が恋の成就を目指す話である。少し読んで「なるほど、母がこういう恋愛主軸の少女漫画を嫌いだから僕に読ませなかったんだろう」と納得する。

「すうぱあかぐや姫」の一幕。木造のボロアパートに金髪の可憐な少女が帰宅する。彼女は幽霊である。幽霊であるため、とんちんかんなミスをして指摘されているようだ。天真爛漫でかわいい。彼女がとり憑いたところの住人は、しかしなかなか帰ってこない。考えてみれば、その住人もまた幽霊だったのではあるまいか。そして、さらにその前の住人にとり憑いていたのであり、その住人もまたさらに幽霊だったのでは……。

「すうぱあかぐや姫」の奥付を見ると、2017年、2520年などとなっており、数字がおかしい。複数の奥付が後付けで差し込まれているようだ。2017は1917年のミスでは? いや1917年だと古すぎるのでは? などと弟と論じる。「ネタ提供」あるいはアシスタントとして数人の名前が挙げられており、その中に母と同じ名前がある。

母の作った同人誌が発掘される。それは樹木やその樹皮を丹念に描いた漫画で、ところどころにだけセーラー服の少女が描かれる。丁寧で上手いと思う。母は「ストーリーが思いつかなかったから雰囲気漫画にするため樹木を描いたのよ」という。

さらに色々なものが発掘される。それは母の描いた書画や日記の類であり、知人夫婦とその赤ん坊の似顔絵や、切除した腫瘍とその記録といったものが沢山綴じてある。表紙は綴じられていない。その表紙と中身の間に、打掛(着物)と袴が挟んである。打掛は色あせた桃色と紫のグラデーションで、仕舞に使えそうである。弟が謡の真似をする。弟が死んでいることは分かっている。

近所で祭りがあるらしいので、様子を見に母と出かける。外は墨を流したような闇夜で、一寸先も見えない。「いいことを思いついた」とスマホを取り出し、画面の光で照らそうとするが、光は長く伸びずに途切れてしまい、道を照らすことはできない。祭りと言いつつ人気は全くなく、怖くなってくる。大学の近くの歩道橋までやって来る。構内は灯りがついているようだが、ここまで来ても人気がないので、やはり祭りは無いのだろう。もういいだろうと思い、橋を渡らずに引き返す。

母が「現代史で紙束を用意してくれ」というので図書館に行き、現代史の分厚い本を持ってきて「これでいいのか」と母に訊く。もちろん、現代史の本をばらして紙束にするなどというのは聞き間違いだろう。果たしてその通りであり、母が言いたいのは「現代紙」、その意味するところは「塗工紙ならなんでもいい」ということだった。一応用途も訊いておく(訊いたが忘れた)。図書館には不要な本コーナーが設けられており、そこから材料用に何冊かもらって帰る。

バンガイストの夢

バンガイストを読んでいる。それは番長物で河童が出てくるが、現実のバンガイストとは別物で、強く厳しく人格者で物静かな本物の番長が登場する。本物の番長はライバルポジションだったが、妖怪の攻撃で心臓を破壊されてあっさり死んでしまう。主人公は若き番長であり、本物の番長のかたき討ちを行う。そして最後のページでは、一ページ丸々使った大ゴマで本物の番長の葬式を挙げる。そこは照明を落とした体育館で、暗闇の中に巨大な大仏の横顔が描かれる。その目線の高さのバルコニーに若き番長と太ったお坊さんが立ち、お坊さんは涙しながら読経している。お坊さんは本物の番長の知り合いだったようだ。陰鬱である。

漫研の合宿と称してホテルに泊まり、自分の漫画を描いている。風呂場にイーゼルを置き、原稿用紙を立てて描いている。ネームは30ページ弱ある。下書きをし、ペン入れをする。ベタをしていく。

漫画の内容はドラゴンボールの孫悟空をそのまま登場させるというもので、オチはまだ決まっていない。とても間に合わないような気がする。描いている途中で「なんで孫悟空をそのまま出していいと思ったんだ」と気付き、オリジナルキャラに差し替えるべきか迷う。オリジナルキャラに差し替えたら、コンセプトが成立しなくなってしまう。

漫画にはまた、プロレスラーのマスクをした人物が登場するが、そのマスクがコマによって違う形になっている。「感情によってマスクの形が変わる」という設定らしいが、非常に分かりづらく、なんでこんな設定にしたのか思い悩む。

筆ペンで服のシワを描くと気持ちいい。船の上で野性的なお坊さんが小舟の櫂を握っているコマがある。

ホテルの部屋は漫研一同で取っているが、今は自分の他にはPと女の子の二人だけがいる。Pは女の子と話しながら漫画を描いている。女の子は引き上げ、Pも引き上げることにしたようだ。いや、Pは引き上げるのではなく風呂に入るだけのようだ。それは個室の温泉のような風呂である。ということは、自分が使っている風呂はサブの風呂にあたるのだろう。向こうでお湯が出ないといけないので、こちらで湯船に垂れ流していたお湯を止める。

ふと見ると、湯船の底の方くらいしか溜まっていなかったお湯が、急に上限きわきわまで溜まっている。「紙コップを握りしめると水位が上がる」のような理屈でそうなったのだろう。こちらも風呂に入ることにしようか。

ネームを切り直すことも視野に、とりあえず描きかけのイラストをtwitterにアップする。それは斜めの格子模様の服を着たサロメの絵である。

弟の用事の夢

実家に帰省している。中学校まで住んでいた家に似た家。父と母は用事で外に出ている。弟は普通にいるが、遠からず死ぬ、あるいは一度死んでいるという認識がある。弟は午前中に病院に行くことになっている。僕も丁度用事があるので、弟に同行して病院まで行こうと思っている。それを弟に伝えると、弟はばつが悪そうに「それ必要なの?」的な流しを入れようとする。僕は、弟と同行することに価値があると思っていることを弟に伝えたい。

魔女っ子漫画の夢

夜の住宅街を歩いている。魔法の掃除機、あるいはハイテク飛行機械を見つけ、手に入れる。それは僕のものではなく、何かの組織が持っていたものである。それを使うと空を自由に飛ぶことが出来る。黒いバッグに収めたギターのようにしてそれを背負う。

僕は追っ手を気にしながら歩く。ビルの一階のガラス戸の向こうから、大勢の子供たちが「助けてー」と口々に言っているのが聞こえる。何らかの悪党の仕業だろう。僕は機械の力でビルの屋上に上がり、そこで様子を窺うことにする。子供たちを助けるべく。

ビルの上はクローゼットの上のように小じんまりとしてゴチャゴチャしている。子供の時、二段ベッドに乗った時のような大きさ感。そこに、機械の持ち主であった技師のような人が飛んでくる。僕は隠れようとするが見つかってしまう。技師はJのような顔をしていて、黒っぽい技師の服を着ている。敵意はなさそうだが、おそらく機械を返す流れになってしまうだろう。

僕は逃げ出す。技師はいつのまにか三角帽の魔女っ子のようになり、追いかけてくる。ここからコミカルな漫画調になり、僕は少年主人公になっている。ページをめくると、一瞬で魔女っ子に追いつかれており、二人は汗まみれでセックスをしている。少年は、串団子状のディルドを口に何本も突っ込まれたりしている。明るいギャグ調である。

次のページでは、二人はプールサイドで戯れている。それは飛行船の上に設けられた特設プールである。魔女っ子の先輩キャラが新たに登場している。魔女っ子は先輩キャラを「お姉さま」と呼んでいる。魔女っ子は友達を欲しがっており、それで主人公を友達にしたのだという。「お姉さま」が「私は友達じゃないのか?」的な空気を出すのに対し、魔女っ子は「お姉さまはお姉さまだからいいんだもん」と言う。

ここまでが第一話で、高速展開しつつ「お姉さま」キャラを出すところまで進め、このキャラの詳細を次回へのヒキにしている。

別の話。「不景気です」といずれかのキャラが告げるコマから始まる(「あさりちゃん」にそういう出だしがある)。「もうすぐ日本経済は滅びるもんねぇ……」と魔女っ子が言う。魔女っ子たちの組織は影で大きな事象を操っているらしい。この漫画は、悪の組織側からヒーローものを描く的なやつなのだ。

別の話。魔女っ子の上司(気の強そうな少女)がやって来ることになる。魔女っ子は主人公に、「大変大変! 君を殺さないと収まりがつかないだろうから、殺すね」と言う。「切り替えが早すぎる!」というギャグ。主人公は大きなケーキの中に身を隠す。やがて上司がやって来るが、魔女っ子がボケをかましまくるので、主人公はケーキの中にいながらバレないように突っ込みや補足を入れる。そういう型のギャグ。

最終話付近の話。魔女っ子たちの軍団はビルの上層階から、地上にいるヘリ軍団に攻撃を仕掛ける。ビルの上ではなく内部に陣取っているため、普通ならヘリは手出しができないが、このビルはヘリが中に入ってこれるように大きな空間が設けられているため、ヘリが上がってきて反撃を仕掛けてくる。魔女っ子たちは壊滅し、戦いに敗れる。魔女の生き残り二人(主人公かは定かでない)が瓦礫から身を起こし、隠れながら脱出しようとする。そのさまは第一話とオーバーラップする。二人はビルの奥の大きな分厚い扉を開き、内部を進んでいこうとする。明らかに敵が待ち構えていそうで、死亡フラグ感がある。