ふらつきとイメージの夢

住んだことのない家の弟の机の横の壁に、ゲームの絵や、最後に会ったとき関連の実際にはない記憶にまつわるものが貼られている。

↑の夢の記録を夢の中で付けてしまい、前後を含め大半忘れる。

住んだことのない、たくさんの小部屋がドアで繋がっているような家。保育園か何かを兼ねているのか、子供がたくさんいる。僕は気が付くと体中に力が入らず、ふらついてうまく歩けない。高熱でもあるのかもしれない。

コワーキングスペースか勉強会の会場のような場所にいる。そこから、喫茶店の椅子をどかして皆床に座り、ライブか何かを待っているような場所に移行する。僕はやはりうまく歩けず、何度もふらふらと徘徊する。金髪でショートカットの、ライブを待っている女性がやれやれという感じで(医療関係者なのか)寝ていろと言う。

僕は突然、これはイメージする力の不足によるものだと悟る。歩くイメージを強く持てないためにうまく歩けないのだ。そこで、歩く感じを強くイメージしながら歩こうとすると、ふらつきながらも歩けるようだった。

目が覚める。メタなことに気付いたからだな、と思う。しかし、部屋の天井が布団一つ分しかない狭さのため、これも夢だと分かる。部屋全体が動いてエレベーターのように降下しているようだ。天井の様子が変わり、まだら模様が浮かんだり黄色いラインが交錯したりする。やがて夜のヘリポートのような場所に付く。地上が近く、デパートに明るい光が点いている。

デパートの中に移行し、イメージ通りの展開にしようとして何かイメージを浮かべようとするが、難しい。歩きながら、デパート店内のものを手あたり次第掴むような動きになる(歩みを止められない)。周囲の視線を感じる。

目が覚める。

アンドロイドの夢

実家に滞在して図書館かどこかに毎日通っている。それで道を歩いている(実在しない道)。「行だ」と思う。曇り空で、調子は何となく悪い。横断歩道の途中で足が動きにくくなり、一旦うずくまってしまう。が、立ち上がって渡りきる。

小説のテキスト形式に場面が移行する。その文章では、男が道路の真ん中に寝そべって、しかも轢かれない方法と確率について述べている。

「進行速度の20%が一つの目安となる。『道路の舌』と呼ばれる微小な起伏による車体の浮き上がりを利用し、まず20%。そこに運良く透明のデアデビル(と呼ぶことにしよう)が出てきて車を殴ってくれることで、最初の20%のうち30%を加算。それでやっと安定して20%を超えることができる。そこで男は、普段は健康上のリスクから口にしないことにしているある種の薬物を飲むことにした」云々。

その小説を実家の居間(中学時代の間取り)で読んでいる場面に移行する。弟がテーブルで新聞を読んでおり、「『事実』の表記が『R』になっている」と誤植を指摘する。僕は、この小説の面白さを弟と語り合いたいと思う。しかし弟は死んでおり、ここにいるのは心を慰めるために造られた一種のアンドロイドなのだ。なかなか自然な感じでそこに居て、結構良いじゃないかと思う。しかし泣きそうになる。

母が祖母を伴って現れ、「朝食はパンとベーコンと卵とどれが良いか」と訊いてくる。僕は「どちらかというと全部かな」と答えるが、時計は既に正午を指しているため「午後の展開にもよる」と付け足した。チーズケーキのようなものが食べたいと思う。祖母が僕の向かいに座り、祖母の隣には弟のアンドロイドがいる。祖母は何かを食べながら、「美味しい」と「便利」を取り違えたのか「これは便利だね」と言う。

アンドロイドが「『事実』の表記が『R』になっている」と再び言う。僕は「また言ってる。いや、誰も反応を返さないと繰り返し言う仕組みになっているのかな」と言う。アンドロイドは照れ臭いのかよく分らない表情とテンションで肩をすくめる。僕は「どうもこいつは***(弟の名前)と比べて姿勢が悪いな」と言い、試みに、アンドロイドの頭を撫でようとする。その感触がどんなものなのか、硬いのかぐんにゃりしているのか、少しドキドキするが、造り物ともそうでないものとも取れない微妙な感触だった。アンドロイドの後ろ髪は長く伸びており、「いまいちメンテナンスされていないな」と思う。

追いかける夢

カーブした下り坂の道を歩いている。人が多い。その中に、弟に似た人物を見かける。似ているどころか、これはそっくりではないか? というか、服が普段よく着ていたものだ。ということは本人だ。

それに気付いた途端、弟は駆け出して路地に入ってしまう。僕は弟の名前を叫びながら追いかける。角を何度か曲がり、見失いそうになる。最後の角を曲がると、ビルの外壁に囲まれた狭い霊園があり、墓参りに来ている人が足元にしゃがんでいる。その人が、さっきまで追いかけていた弟と似た服を着ている。

狐火の夢

試験会場のような場所。大勢の人がいる。ドヤドヤと歩いて雑に部屋を移動し、試験問題か何かが雑に配られる。

お稲荷様のような女神の後を皆で付いていく。それはパレードで、ジブリ映画のよう。僕はジブリ映画のような子供になっていて、ジブリ映画のような友達と一緒にいる。友達はお稲荷様のことをよく分かっていて、お稲荷様の背後に立ち「数えさせていただきます」と言うと、お稲荷様の9本の尻尾を手ですいて確かめていく。一瞬ぎょっとするが、そういう作法らしかった。

古い喫茶店めいた鏡をくぐり抜けて現世に戻る。通過中、振り返ったら駄目なやつだと思う。

現世もお祭りのようで、夜である。友達の後を追うと、「消えないロウソク」の場所までたどり着く。そこにあるロウソクこそ、先のお稲荷様そのものである。友達は、ロウソクの根本の藁を整えて、火を別のロウソクに移す。その動きは、さっき尻尾をかき分けていた動きと同じである。つまりそれがロウソク作法の起源なのだ。僕も真似をしてやってみるが、これでいいのか確信が持てない。

体育館くらい巨大な打ち上げ会場のような場所で、長い机をスーツ姿の人々が囲んでいる。順にマイクを回して自己紹介をしていく。自分の番になる。「○○○(氏名)です。去年卒業して、いや一昨年か、いやもう3年、かそれくらいになります」曖昧すぎるため失笑混じりにウケる。「趣味は漫画と、最近はプログラミングです。よろしく」次の人にマイクを回す。しかしよく考えてみると、3年どころかもっと経っていると気付く。それで我にかえって目が覚める。

弟の幻覚の夢

弟と出掛けることになった。住んだことのない部屋で、正月とも少し違う気だるい雰囲気。既にアルコールを飲んでいる。

もう電車に座っている。地下鉄。立ったり座ったりする。曖昧でよく分からない。「お前、行き先とか考えてるの?」と弟に訊くと、「いや、そっちが考えてるものだと」みたいな応答になる。とにかくどこそこへ行こうということになり、弟が調べて「それじゃここが乗り換えだ」と降りていく。「え、ここでいいの?」と僕も追って降りる。

僕は服も髪も整えずにずぼらな有り様であることに気付き、もっと整えればよかったと思う。

もう家に戻っている。相当酔っ払っていたのか、出掛けた理由も途中の道筋も思い出せない。机に寄り掛かって見上げると棚に空き缶が積まれている(今回飲んだものではない)。

弟が既に死んでいることにはたと気付く。ではあちらにいるものは幻覚か、と慌てて居間に行く。果たして弟がいるので、その左腕を両手で握って顔を見る。「うわすごい、脳の記憶ってすごいんだな。すごい、だってもうお前、お前」と話しかけながらリアルな腕の感触があり、脳の凄さに感嘆する。弟の姿は立体視の画像のように立体感が変になってきている。できるだけ見ようと、瞼を開いていようとする。弟の頭は変にひしゃげて白っぽくなってきている。幻覚とはこのように見えるものか、という感じの見え方だと思う。そのまま視界が徐々に色褪せ、
 
 
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この光景を見ている状態で目が覚める。(肌着が、左を向いた弟の顔に見えていた。左側の袖部分が鼻、その下に唇、あご。頭がひしゃげて白っぽい)

プリントの整理の夢

夜、実家にいる。母方の実家の二階のような、実在しない部屋。鞄のなかには荷物がごちゃごちゃになっていて、早く整理する必要がある。クリアファイルに落書きや漫画がごちゃごちゃに入ったものが沢山ある。母が帰ってきたようだ。少しは手を付けておくか、と考える。

実家の居間にいる。プリント類を整理しつつ弟と話している。弟が「貝って何類だっけ」と訊く。「軟体動物じゃなかったっけ」と答える。弟は魚介類図鑑をめくりながら「しかしこの著者によると、貝かどうかは殻を獲得しようとする必死さによって決まるのであって、ヤドカリのように既存の殻を借りる類いの海生ナメクジも貝だというぜ」と言う。僕は本当かなあと思いつつ、「ではこのゴクリンも貝といったところか……」とゴクリンを現れさせ、ふざけて笑い合う。夕飯の支度が進行している。

わら半紙にカレンダーを書き、漠然と予定を整理する。試験が近く、勉強する必要があるが、あまり何もやっていない。プリントを床に並べ、捨てるもの、漫画的に要るもの、学校的に要るもの、などと分類していく。弟が「なんで分類するのか」と分かりきったことを訊く。僕は「ものによってとっておく必要があるからな」と答える。今夜は、弟が実は生きていて、帰ってきたところなのだ。なぜ死んだのか、それを訊いたりするのは後で構わない。慌てなくともいいではないか。今は弟が生きているという事実に安心していよう。父も母もそんな感じだ。テーブルに夕食が配膳され始める。

目が覚める。かなり寝ぼけていて、「眠ってしまっていたからテレビの録画も出来ていないかな」といった理屈に合わないことを考える。ややあって夢を思い出す。

蜃気楼の夢

ホールで催し物が開かれている。誰かの披露宴だろうか。関係者の友人とかで、有名バンドが出てきて歌い始める。宴たけなわだ。しかしマイクが壊れているのか、ほとんど客席に聞こえない状態になっている。手拍子で応援しようとしたりの動きがあったが、観客間の息も合わない。結局、いったん中止して歌い直すことにしたらしい。

ガラス張りの控え室には能楽サークルのメンバーが集まりつつある。僕は忙しくて断ったとかで含まれていないようだ。雑魚寝の布団に寝ていると、Iがもう眠すぎるといった感じで布団に潜り込んでくる。

会場の外に屋台のようなものがあり、そこで何かを食べる。食べ終わって振り向くと、貧しい親子が順番を待っているのかいないのか微妙な立ち方をしており、「何も食べ終わるまで屋台の前に立つ必要はなかった。待っていたなら悪いことをした」と思う。

会場から出ると、外は朝早くか夕方早くで気だるい雰囲気である。視界の端に巨大な白い月が見えた。ビルとかに映ったのかもしれない。しかし見間違いだろうと思って角を曲がると、銀色の車が四台連結したような車が、各タイヤをでたらめな方向に回しながら建物を突き抜けて滑っていった。そこにいた女性と「今の見た?」と言い合う。向こうに逃げ水のようなものが見えるし、さっきの突き抜け方は逃げ水っぽかった。どうやら蜃気楼的な未知の現象が起きているらしい。会場に戻りながらTwitterに「蜃気楼を見た」と書こうとするが、足の動きが遅くなり、うまく歩けない。前方には犬の散歩。文章もうまく変換できない。夢だと気付いて目覚める。