水仙の器の夢

秋田にある祖母の家。弟と二人きりでいる。(現存しない。現実よりもかなり大きく、豪邸気味である)

祖母は何らかの病を患い、一時的に家を離れることになった。その間、私と弟がそこに滞在することになった。(現実と違う設定。祖母は他界している)

二階の中庭側は広いバルコニーになっていて、真ん中には石材で設えた噴水池のようなエリアがあり、小庭園になっている。植物の鉢が大量に置かれ、その多くは水仙のような、水に浸っているタイプの植物である。形は珍しく、花は繊細で、完全に手入れされている。庭師の手によるのかもしれない。

その中に、水仙の葉か花弁がどんぶりのような真円の器型になっている鉢がある。葉と花弁が混ざったような外見で、青色や白色、透明の部分があり、葉っぽい部分もある。器の中には別の小型の植物が入っていて、小さい水仙のような葉や薄黄色の花が見える。底にはわずかに水が溜まるようになっている。底には穴が開いていて、蟻の巣になっているようである。

弟は好奇心を抱き、この器に水を足し入れる。少し入れるだけかと思ったら、見る間に大量の水を入れて、蟻を溺死させてしまう。止める間もなく水は満杯になり、他の植物も水に浸かってしまう。結果として、中の植物はだめになり、腐った水槽のようになってしまう。私は驚き、どうしたものかと考える。 とりあえず、鉢の中の水と植物を別の器に移したりしてみるが、甲斐もない。

弟はもう一つ、似たような鉢を駄目にしてしまう。私は弟を止め、「祖母が帰ってきた時にどのように思うか考えたがいい」と諭す。しかし、実際に帰ってくるのかどうかは分からない。

ややあって、やはり全力を尽くして原状復帰を試みようと考える。器から汚水を抜き、中にあった植物の葉や花を一枚一枚確かめて、取り分けてみる。中にあった植物は根がなく、茎の途中で切断されている。つまり生け花であった。または葉や花だけで独立しているタイプの特殊な植物だった。

構成要素を一つ一つ丁寧に扱えば、できることはあるはずだと思っている。

バルコニーの下には隣家とそこにつながる道が見え、車が行き来している。 隣人が運転しているものであろう。道は舗装されていない。

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