木銀酸の夢

Gと近所のパン屋(実在しない)に来ている。フードコートのような場所の中にあるパン屋で、かなり人気らしく、混んでいる。いったん諦めようとするが、長居している人などが立ち去ったので座ることができた。近所付き合いのムードが漂っている。

持ち帰りでピザパンを買うことにする。焼けるまでの間座って待つことになる。巨大な電子レンジのような窯が客席に面して置いてある。それで焼くのかと思うが、奥にも窯があるらしい。待っているとなかなか焼きあがらなくて、どの窯で焼いているのかといったことが気になりだす。

何かのきっかけで近くに座っていたお爺さんaが話しかけてくる。話し慣れていないようで要領を得ないが、どうも木銀酸という精力剤によって自分に活力が戻ったという話をしているらしい。その話を詳しく聞こうとする。「近くの駅」というキーワードが出る。

別のお爺さんbと、近くの待合室に移動して話し始める。bはお爺さんというよりは若く、妻と一緒に来ている。bがGに対して馴れ馴れしい態度をとるので気にかかる。

「近くの駅」というのは今治にある駅で、こだま駅という名前らしい。聞いていくと、その名前はbがやっていた古い店の名前に由来するらしい。bがどこかに行き、その妻が続きを話す流れになる。

いつの間にか、そこは焼き場か何かの待合室のような場所であり、ここに来ている人は僕の父の死か何かをきっかけに集まった人々である、という設定になっている。僕は唐突に、「(家父長制的な)伝統的家族」に含まれない同性愛者や婚外子といった属性をもつ人にとって、葬儀は常に望ましい待遇が得られる場とは限らない、という問題のことを考える。

一旦目が覚めてまた眠る。

夜、自室。Gが出かけ支度をしていて、何かすごい勢いで出ていく。声をかけるとGは戻ってきて、何かをいきなりこっちに向けて驚かせてくる。それはドライヤーのようだった。鬼気迫った雰囲気なのか冗談なのか分からず、追いかけて玄関先で声をかけると、Gは「下まででいいから持ってきてくれ」と言う。外は暗く、紫色の小さな携帯照明のようなものが宙に浮かんでいる。

何を「持ってきてくれ」というのか分からず、後を追いながら何が要るのかを訊く。階段は現実より長く下に続いていて、いつしか人が大勢いるフロアに出ている。がやがやしていて夜行バスの待合所のようである。何が要るのかを重ねて訊いていると、「足で抜くやつ」と答えが返ってくる。何の話なのか依然分からない。

そこは精神科の待合所で、Gは急な異常を感じてここに来たのかもしれないと思う。何なのか考えてみようとするがよく分からない。夜であるにも関わらず沢山の人が待っている。

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