溶けた男の夢

帰省している。

病院か何かに勤務しているイメージ。ゲーム的なものでの勝利は、死期の近い患者にとって、現世での重荷にならない透明な持ち物であり、いいことである、という考え。冬の凍った湖と空。

母と家にいる。弟を風呂に入れるという。弟は障害を負って死期が近く、介助が必要になっている。昏睡の時間が長く、実家に来てもまだ話していなかった。母がインターホンのような機械で弟に話す(ナースコール的な機器)と、弟は費用のことを考えて遠慮したようだ(入浴には高い費用がかかる)が、押し切る。いつ危険な状態になるか分からない状況なので、今日風呂に入れることができるのは誰にとっても(本人にも)幸いである。

私は北側の弟の部屋に行く。弟は床に敷いた布団に寝ている。骨のように痩せ細り、衰弱のため身体の関節が変な風に曲がって、白目をむき、動きはのたうつようで異様である。それは溶けた男のようである。私は弟に、私が来たことともう数日滞在することを伝える。下手に腕を掴んだりすると骨折したりしそうで躊躇われるが、肩を掴む。弟は、もうあまり目が見えないが、顔を触れば形が分かるといって私の顔に触れる。受け答えはしっかりしている。私はどこでもいくらでも触れて確認すればよいと答える。やり取りには温かみがある。

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