人工呼吸器の夢

ゲーム画面。自動車修理か何かの工場を運営するが、表向きは整った店構えに対し、奥に行くほど雑木林になってしまっているくらい実態はずさんである。それを客の目から隠すゲーム。うかうかしていると客はすぐ店の中に入り込んでいってしまう。子供が興味津々で林に踏み込んでいく、男女がセックスを求めて駆け込んでいく等。

ワンゲーム終わると、そこで働くパートの女性たちは整列し、年長のパートから一言ずつ注意を受ける。それが終わると昼食休憩に入る。昼食はまかないだが、店内の調理場で自分たちで調理するスタイルである。みんなは厨房に入っていくが、一人だけまかないではなく持参の冷や飯を食べる人物がいる。みんなは「あれで馬力出るの?」と怪しんでいる。

建物に入ると、まず保健室のようなスペースがあり、その奥に調理場や休憩室がある。診断室の床には人工呼吸器に接続された患者が横たわっている。床にシートを引いて、その上に直である。患者は事故か何かに巻き込まれて海中に沈んだらしく、手足を切断され、体のパーツはあまり残っていない感じである。意識はないようだ。機械は複雑で大掛かりである。事故のことはニュースで見たような覚えがある。

みんなは奥で食事を始める。私は何か考えがあって、食事をしないか、何か違うものを食べる気でいる。床に横たわる患者を見ていると、人工呼吸器によって患者は忙しく動かされている。機械によって体を強制的に運動させ、全身に備わっている筋肉を使わせることで呼吸させる仕組みらしい。肺を動かすためか、激しく上半身をのけぞらせたり俯かせたりといった激しい動きが常に行われている。それはダンスのようである。見ていると実際にダンスになる。患者は立ち上がらされて踊る動きをさせられる。私は取材のつもりもあり、それをじっと見ている。

ふと気づくと、患者は呼吸器なしで一人で立ち、踊っている。あっと驚くが、実はそれはアルミホイルのついたてに像が投影されているだけであり、その間、患者本人はついたての背後に隠されている。このように、周りを飽きさせないエンターテイメント的な機能も備わった人工呼吸器である。

その患者のバックボーンが回想の形で流れ始める。患者は女の子であり、昔から特殊な機械を付けて周りをドタバタに巻き込んできた(事故でなく、早い時期からの障害という設定になっている)。機械によって坂を駆け上がると、鉄の扉にぶつかり、中から大量のガラス瓶が崩れ落ちてきてぶつかる、等(ええっ!?ぶつかった!?と思う)。両親や周りは身体が不自由な本人のためにセックスまで提供しようとしたが、それについては本人が「ほっておいてくれ」というので取りやめになったらしい。ここでも私は少し驚くが、周りの人は「もともと頭部の機能はほとんど残っていない人だから、(キスに関しては)心理的に大した問題ではない」という。

その子をずっと見続けてきた、銀髪で太り気味の背の低い小僧が登場している。小僧はその子が好きで、その子が本当に言いたいことが何かを常に考えている。少女が現在の昏睡に入る前に残した「なんでなの?」という走り書きについても、「なぜいつも傍にいた小僧がいないのか」という意味で書いたのだと考えている。小僧はその時たまたまいなかったのだ。そうしたことを悔いつつ、小僧はさっきも、少女が踊っている横でブレイクダンスを踊り、一緒の時間を過ごそうとしていた。人情漫画っぽいキャラクターである。

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