細い砂浜の夢

Sと美術館か何かに行こうとして、知らない町を歩いている。ナビゲートをSに任せている。

大通りを何本か横切って、目的地近くらしい大通りに出る。そこには工事中らしい、グレーのネットで覆われた建物がある。そこかと思うが、そこではない。その建物を左手に、大通りを上がっていく。脇にフェンスがあり、そのフェンスと道路との間の僅かなスペース(歩道くらい)に砂が積もっている。なんと、これは砂浜らしい。「こんな狭い砂浜見たことない」と笑い転げる。フェンスの向こうには海が見える。

道が合っているか不安なので、Sに何度か「地図見た方が…」と促す。少し坂道を上がって、やはりさっきの砂浜を写真に撮るかと思って振り向くと、工事中で放置されたような遠景と、海と、少しの植物と砂が画面に収まるいい景色である。緑、白、黄色、青が美しい。iPhoneを構えると、丁度人がやって来てしまう。通りすぎるのを待とうとするが、やたら沢山の大学生がやって来る。また天気が非常によく、眩しすぎて明るい部分が色飛びする。明るさを調整しようとするが上手くいかない。太陽の方向を向いているからどうしようもないか。

先行していたSが「どうもこっちらしい」といって戻ってくる。なんと、道なりではなく、300度曲がって、さっきの細い砂浜の後ろを通る道が正解である。トラップのような見つけにくい道なので、また笑い転げる。細い道を通ると、少し開けたところに出る。そこには痛い引っ付き虫の草が四角い敷地に生えていて、真ん中に細い道がある。そこを通るとどう見ても引っ付き虫が刺さりそうなので、私は四角いゾーンの外側を回り込んでいく。Sは細い道を突っ切っていく。

その次には、立派でもない門がある。そこが目的地らしい。古びてみすぼらしく、これも絵になる。私はiPhoneを構えて数歩後ずさり、引っ付き虫の道まで戻って、門を写真に収めようとする。大きな蜂が一匹飛んでいて、それが手元に来たので驚いて目が覚める。

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