タタミとヴィトゲンシュタインの夢

90年代とかのドキュメンタリー。ウルトラセブンと当代人気のテレビまんがが一堂に会するような、節操のないコラボレーションの誇りを逆に知れ、という旋風が業界をめぐる。それによって絵柄の流行が起こる。研究された漫画の中に、りぼん掲載分ではない昔のあさりちゃんが含まれている。(現実のあさりちゃんはりぼん掲載ではない)

タタミが屁に火をつける場面。昔のあさりちゃんだから掲載可能なコードが違うな、と思う。タタミが美少年の股間に頭をぶつける場面もある。どういう理由でか、必然性があって、タタミはそういう発想に至ったらしい。一般的には下品な行いだが、大義があってしているようだ。

しかし、少年時代のヴィトゲンシュタインは下品であるといってこれを拒む。ヴィトゲンシュタインは、「どろろんぱっ!」に出てきたヴァン・ヘルシングのような造形の、黒髪くせ毛の生意気な美少年である。タタミは赤面しつつも激高し、その場の思い付きを並べ立てて、正当性を主張しようとする。最終的に「大人の女には明かせない秘密があるのよ!」とかなんとか言ってごまかす。

この出来事は若きヴィトゲンシュタインの心にインパクトを残す。やがて成長した彼は、占術によってあの時の少女の正体を突き止めようとする。しかしタタミはタイムスリップで来ていたので、本人の所在は突き止めることができない。

最終的にヴィトゲンシュタインはある種の悟りを得、あの少年の日に見たタタミが美しかったことから、「女は思い出の中が一番だ」というような皮肉めいた名言を残す。この言葉は一般に知られているのと違う実情に基づいていた、というオチ。(現実にはそんな名言はないと思う)

その日を境に、ヴィトゲンシュタインは幼い日からの心残りがなくなり、雰囲気の刺々しさが和らぐ。友人に「何かあったのか」と言われるほどである。彼が偉大な仕事をなしとげる準備が整ったのである。彼はこれまで神学の教師を激しく論破したりして過ごしており、その能力もあったが、もはやそのような闘争に明け暮れることはやめ、馬に乗って旅に出る……。

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