蘇生した弟の夢

ドント・ブリーズのようなホラー映画を見ている。真っ暗な屋内。木造の家。闇の中で殺人鬼が襲ってくる。殺人鬼は机を投げて道を塞ぐなどする。階段を駆け下りて逃げる。階段は、立体的な透視図のように表現され、カメラが下に降りていく。

一階は納屋かガレージのようになっており、主人公たちはそこで追い詰められる。しかし女性の一人が「ここまで辿り着けばこれがある」と言って、壁から伸びているチューブを咥える。それは吹き矢のような道具であり、火花が真っ直ぐ飛んで、殺人鬼の額に命中する。火花は背後の覗き窓から外にまで出て、辺り一帯を炎上させる。殺人鬼は無傷であったが、騒ぎにより警察が駆け付けることは間違いない。

殺人鬼は警察に逮捕されていく。主人公たちの勝利だ。しかし、実は殺人鬼は人知れず悪に抵抗しているヴィジランテであり、実はこちらの方が主人公だったのかもしれない。殺人鬼の腕は怪我の出血で赤く染まっている。殺人鬼の息子が、彼に付き添ってパトカーに歩いていく。ここまでは前ふりで、ここからがこの映画なのだ…。

大学のキャンパスのような場所で、いかにもホラー映画で死にそうな若者集団が歩いている。それとは別に、ナードっぽい雰囲気のある、陰のある若者が登場する。前者が後者に声を掛ける。

以上のような映画を、野外の広場で見ている。そこはテーマパークと公園の中間くらいの場所であり、パイプ椅子やベンチ程度の椅子が並べられ、人々が映画を見ている。

電車の中で歌い歩く、ミュージカルのような場面もある。「DIOの言うことならなんでも聞いちゃう奴、DIOに首ったけの奴」のような歌詞。ここでいうDIOはジョジョの方ではなく、ミュージシャンの方のDIOなのであろう。スーパーのシーンも出てくる。「すっぱい」に引っかけたネーミングの看板。

字幕が前の人に隠れて見えないので、立って移動したりする。後ろの人の視線を塞がないか気にする。やがて弟の左側の席が空いたので、そこに座る。

弟は死んだが、死体を蘇生する技術によって今ここにいるのだ。こうしたことが可能なのであってみれば、いったん死んだからといって何の不具合があるだろう。何を嘆いていたのか、とくに不具合が思いつかない。

洋画の後には仮面ライダー映画をやっている。主人公が下宿を勢いよく出て行く。下宿の看板には「すーぱー荘」と書かれている。観客は先程の「すっぱい」との関連に思い至り、反応する。私は「みんな細部に注目しているな」と言う。そのカットはサブカル色のある街角でロケされており、機関車トーマスの首が付いているような標識や、遊び心のある看板がそこらに見える。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です