喋るイノシシの夢

実家(住んだことのない部屋)にいる。弟、母がいる。私は春休みのような雰囲気である。母には新しい子供(現実にいない)がおり、三歳児くらいである。何か楽器の習い事を始めていて、それがたいそう性に合っているそうだ。母と部屋にいると、その三歳児が何事かを母に喋りかける。その語彙が豊富で日本語として成り立っているので、三歳児でもこんなに喋るのか、と私は驚く。

私は弟の机のそばで、弟と遊んでいる。私が人形を出すと、弟は白と黒の仮面ライダーの消しゴム人形を出して、ダブルライダーキックを仕掛けてくる。私は「効かぬわ」などという。そうこうしていると、人形たちが別の机(今使っている机に似ている)の方に弾き飛ばされて、その辺りの物を下に落としてしまう。私たちは「あーあーやめてよね」といって物を拾う(このあたりの弟は母っぽいものが混ざっている)。パズルのような人形や箱がばらばらになってしまう。

拾い集めた中に、私の目標を箇条書きした紙がある。私は最近あまり捗っていないので、ここらで目標を立て直さなくてはならない。目標には、大学受験に関する各科目のタスクが書いてある。私はもう一度大学に入りなおそうと思っているのだ。しかし、考えるうちに、もう一度大学に入っても意味がないのではないかと思い至る。何たること! ぜんぜん意味を感じない。私は頭を抱えてうめく。周りに相談しようと思って大げさにうめくが、とくにアクションはない。

「町内放送の者です」という人が家に訪ねてくる。「〇〇博士の仰るところでは、この度台風がやってきて、それが去って行く時、地球上の空気を引き上げてしまうから、ここらで区切り時だということで。台風が止む時間をお伝えください。回覧板が回せないので」というようなことを言っている。その人は3~40代くらいの男性で、うさんくさい雰囲気である。「近所の人はみな××さん(長老のようなお婆さん)と知り合っている」というようなことを言う。どうも、その××さんの集会の使いとしてやってきたようである。我が家は引っ越してきて間もないようである。いつの間にか家は妙に広い集会場のような家になっており、親戚たちも一緒に住んでいる感じである。私は使いの者に、取引関係を結ぶことを匂わせようとして、「私を仲間にすれば、皆を××のところに行かせてやらないでもないぞ」というような雰囲気を出す。「私はキリスト教徒になるから行かないが」と付け加えると、使いの者もクリスチャンだという。私は興味を惹かれる。やがて使いの者は親戚たちに追い返されていく。

家の入口あたりまで来る。そこは中国の家で、家というより市場のような感じであり、大変広く、大勢で住んでいる。ドアの外に、普通の玄関程度の広さのエントランスがある。そこから仕切りなしで別の人の室内に繋がっていて、アル中の隠者のような老人が座っている。赤褐色のタイルのような床で、家具類が少ない。私はそちらに踏み入らないよう気を付ける。

二本足の小さなイノシシがひょこひょこと歩いてきて、家に入ろうとする。「ピポピポ」というような声を出している。イノシシの子供はこのように喋るものだ。親戚や近所の人は慣れていて、イノシシの首根っこを掴んで外に追い出す。私は透明な樹脂のドアを閉めたり、鎖をかけてイノシシが入らないようにしようとする。そうこうしている間に別のイノシシが辺りをうろついている。

さっき目標を見直していた部屋まで戻ってくる。誰もいない。私は目標の件を弟に相談してみようと思う。

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