サンリオの玉座、部族の戦士の夢

魔王の城から脱出しようとしている。母(物語の中のおかんキャラ)の差し金である、紳士めいた半裸の大男と妙に小さい男の二人組が現れ、手助けしてくれる。

脱出した後、ふたたび城へと忍び込む。折からの悪天候にまぎれ、壕の濁流を泳いで城壁を登ろうとする。そこに思わぬ助っ人が現れ―――――と思ったら、さっきの大男と小さい男の二人組だった。「キャラ使い回してない?」と突っ込みが入る。小さい男はピンク色に帯電し、そこから電気をひいて大男が壁に穴を空けている。

城の屋上に着き、王との決闘が始まる。王は筋骨隆々で邪悪だが人間的な気高さを持った王で、禅問答を仕掛けながら切りかかってくる。神話的な戦い。白く輝く天。下からのアングルがずっと続き、戦う者の姿は逆光で暗い。動きにはスローがかかっている。ギリアム映画のクライマックスのような、茶番と盛り上がりの混ざった雰囲気。主人公(自分)は短髪の白人青年になっている。

王の剣が勇者を貫く。しかしその刹那、勇者は王の懐から解毒剤を奪い、屋上から下に投げ落としていた。それさえ手に入れれば死んでも構わないという覚悟だったのだ。ほどなく城内のオークたちが隊列を組み、銃を捧げて行進を始める。王に対する謀反だ。母(物語の中のおかんキャラ)の手腕によって、この短時間に全員を裏切らせて近代的な軍隊に仕立て上げたのである。

邪王は滅ぼされ、エンディングとなる。主人公は生きている。祝賀会の流れを抜け出して屋上に向かう。階段の踊り場で、潜伏中にちょっといい雰囲気になった敵側のヒロインが待っており、二言三言かわす(映画っぽい)。屋上に出ると抜けるような青空で、その場には自分一人だけである。

屋上にはサンリオの玉座がある。それはテーマパーク随一の名所で、縦にものすごく長いギロチンのような構造物の頂点に玉座が取り付けられている。そこに座りたければ、構造物の中ほどまでをよじのぼって、そこにある板に身体を固定し、そこからはワイヤー仕掛けで引き上げられる仕組みになっている。最後に玉座についた者は今や古人である。頂点では360度の景色を楽しめるだろう。

ここで写真でも撮らねばせっかく来た甲斐もないだろうと思い、サンリオの玉座に登ろうとする。しかし思った以上に不安定かつ高所で、難しい。ようやく中ほどまで登るが、そこで身体を預けるべき板が見当たらない。あるにはあるが異様に小さく、これに乗った状態でワイヤー仕掛けを作動させたら振り落とされない保証がない。よくよく見ると、それは板ではなく仕掛けを動かすためのレバーかもしれない。
 
 
 
展開が飛ぶ。弟とバスに乗っているが、途中の停留所で止まり、いつまで経っても動き出さない。時刻表を見ると「深夜1:20~」などと書いてある。今は昼の1時である。ここで12時間停車してから動くバスだったのだ。弟の調べ不足をなじる。

友達との食事か何かのため、待ち合わせ場所へ向かう。焼き鳥屋の店内を通過する。そこでは見知らぬ男が席に案内されたところで、男はテーブルに残っていた先客のたれを床に捨てる。そういう作法のつもりのようだが、この店的には床に捨ててOKかどうか怪しいものだ。

仲間のうち一人が男と話しこみ始めるが、こうして焼き鳥屋にいても仕方ないので、自分を含む二人は先へ進む。裏口から出て、外階段を降りる。外階段は非常に長い。折からの悪天候で階段はやけに滑る。日は暮れている。

相棒がやけに面白がって滑っている。よく見ると、相棒はさっきの焼き鳥屋で靴底に石鹸を付着させてきたようだ。そのため階段が泡立っている。滑るわけだ。僕も爽快に滑るが、踊り場で手すりにぶつかって、下を見るとものすごく高所で、肝を冷やす。

ドアを開けて建物内に入ると、道場のような空間が広がっている。そこに待ち合わせていた仲間がおり、合流を果たすことができた。稽古は休憩中で、一同は椅子を円形に置いて座っている。その中に、かつて(夢の中で)知り合いだった不良少年がいることに気づく。彼は首から上を真黒に染め、インディアンの扇形の羽根飾りのような髪形にしつらえ、その髪を青・白・水色の文様で彩っている。

僕が

「めちゃくちゃカッコいいじゃないか!」

と感心して駆け寄ると、元少年は

「だろ?」

という感じで応えつつ、その由来を語る。どうやらヤンキーのファミリーに婿入りし、姑の手引きによって戦士の位階を得たらしい。彼の耳は耳たぶの部分が直線的に切り離され、紐で耳本体にぶら下がっている。すごい。

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