人生の節目の夢

引っ越しがあって荷物をまとめている。誰か知らない人物(しかし親しく、この夢で自分と同居していた人らしい)と話しながら。部屋はだだっ広く、荷物はほぼ出し終わったのか、既にまばらである。

別の階に住んでいた人物(高校時代のクラスメイト)がやって来て粗大ごみを置いていく。その中には僕が昔あげたコタツとコタツ布団が含まれている(現実にはあげていない)。僕が下宿を引き払う時にあげた布団が、さらにその人物も下宿を引き払ってここに戻ってきた形だ(もう棄てるけど)。それは僕の実家にあったコタツで、懐かしさのあまり少しくるまってみる。よく見るとそれはコタツの敷布団である(現実にはない物品)。

その人物は僕の昔のノートも置いていく(現実にはない物品)。それはエロ絵を描いていたノートに似ていたので一瞬ぎょっとするが、そのノートではなかった。表紙はピンクとオレンジのポップなもので、知らないアニメのキャラクターがあしらわれている。バザーで拾ったようなノートだ。中の頁にもやはり、忘れたようなアニメのキャラクターが鉛筆でまばらに描かれている。特にとっておきたいものではない。

自分と同居していたらしい、仏教の修行者のような人物がその弟子と話し合っている。教団が使っていた古い経文や図を捨てるのだが、誰かに拾われて読まれてしまうと教団の全貌が分かってしまうので、フォルダーに詰めてから捨てよう、などと話している。経文や図は、何かのお土産品を買った時に入っている紙のような感じで安っぽく、いかにもゴミらしい。だから捨てるのだろう。

京都の銀閣寺あたりに下宿があり、そこのことを思い出す。そこは下宿候補だったが、結局住まなかった。(現実にそのあたりに下宿していたが、それとは違う実在しない建物で、夢にしばしば出てくるものがある。そっちの方。そこは一つ一つの部屋の奥行きがロッジのように広く、2段ベッドのようなベッドがあちこちにあり、共同生活のための部屋になっている。コンクリートを切っただけのサッシの付いていない窓がある。そこには住まなかったパターンが多い)

別の場面。家の窓から、眼下に見える離れの部屋のベランダにゴミを置き、それを通りから取ってゴミ捨て場に捨てる、という習慣を持っていた(現実ではない)。しかし離れのベランダの手すりが壊れてしまい、ゴミが落ちたりしてトラブルになったらしい。警察官が事情を聞きに来ているが、深刻な感じではない。

別の場面。パーティ会場のようなだだっ広い場所にいる。人が曖昧にうろついている。僕は病弱なため歩きながら意識がとぎれとぎれになり、ついには床に倒れてしまう。周りは心配して駆け寄り、対処してくれる。そのようなことがいつも繰り返され、意識が長くはっきりしている時はついにないのだろう。

別の場面。僕はいつの間にか「ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド」を買っており、それをプレイしていたのだった。そこはスキー場のようにだだっ広く、カービィの世界のような曖昧なフィールドが広がっている。全てが漫然としているが「面白い」という判断があり、確かに悪くない、などと思っている。

2件のコメント

  1. totsukakodama

    起伏に乏しく漫然としているが、重要な夢に思える。「引っ越しのとき押し入れから発掘されるが、別にとっておきたくもないような物品」のイメージが繰り返される。それは人生に対する「何か価値あることがあったのではないか/あってほしかった」のような感覚を記号化したものに思える。それは本屋やバザーに行く夢の「ここで何か価値あるものが手に入る」というワクワク感と似ているが、「これから手に入るもの」ではなく「既に手に入ったもの」を志向している点にベクトルの違いを感じる。さらに「既に手に入ったもの」によって「もう手に入らないことが確定したもの」のイメージが喚起される形をとっているように思える。しかし幻滅や残念さの感情はなく、夢は漫然と展開していく。

  2. totsukakodama

    現実に付き合いのある人物が出てこないのに、他者の気配そのものはどの場面にもある。大まか、「他者を通じて自分が以前捨てたものがもたらされる」という構造を繰り返している。床に倒れてしまう場面では、生活や意識そのものが他者を通じてもたらされる。それは床に落としたものを拾ってもらうような感じであって、他者が発生源そのものという形ではない。

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