ロートレックの「サロメ」の夢

大学へ行く途中の登り坂の左側に古い建物があり、感じが気に入っている(現実にはその状況自体ない)。その建物が最近改装されたらしく、長く細い石の階段が二つある、やはり感じのいい建物になっていた。二つの階段は同じ地点から登り始めるようになっていて、直角あるいはそれより狭い角度をなしている。階段の側面は壁になっていて、別の壁との間に挟まれた空間は路地のようである。その路地は山の方へ続いているのかもしれなかった。建物は薄黄色っぽい。道と建物の間にはやや大きい排水溝がある。

排水溝を踏み越えて階段の写真を撮っていると、大学生らしき男に声をかけられる。そこの溝にはツチノコがいると言われていて、ツチノコを探り当てるための長い棒がそばに設置されている。そういう観光資源のようだ。男はツチノコを探そうと誘いをかけてきたのだ。が、僕はあまり気が進まない。これは単なる観光資源だろうし、今は建物の方に関心を向けているのだ。(とはいえ、そこにツチノコがいるとも思うが)

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美術展に来ている。美術館ではなく広めのギャラリーである。まだ開けたばかりで、いま準備途中らしい。

絵を見ていくと、ロートレックの「サロメ」に目が留まる(現実のロートレックの画風とは異なる)。それは油絵で、全裸の少女が中央に描かれている。絵に収まっているのは膝から上、あるいは腰骨から上。少女の背後には全裸の男が立ち、男のペニスが少女の頭の上にある。男はへそ辺りから下が絵に収まっていて、顔は分からない。その位置関係から「少女の背丈はとても低い」と判断する。二人とも正面(こちら側)をまっすぐ見ている。二人の背後には、全裸の男がもう一人小さく描かれている。そちらは後ろ姿である。こちらから見て左側にいる。場所は何かの舞台裏、楽屋のようである。ドガの「踊り子」を思わせる、バレエの売春的な面を表している絵のようだ。タッチは粗く、顔の造作などは油絵の具が糸を引いた跡を使って最小限に描かれている。

絵の解説を見ると、男のペニスが勃起していないという旨が書かれている。絵を写真に撮るかどうか迷う。撮ってよいことにはなっているが、美術展で絵を写真に撮るという行為に慣れがない。きりがないし、画集もあるかもしれない。

他の絵に移った後、ふと戻ってみると、先ほどの「サロメ」が見当たらない。それより以前の絵も、さっき見た時とは配置が変わっている。さっきは準備中だったので、あれから絵の配置が変えられてしまったのだろう。「サロメ」は倉庫に戻されたのかもしれない。撮っておけばよかったと思って、さらに何度か壁面を探し直す。

コメント

  1. totsukakodama

    絵にするとマンダラっぽいが、夢中ではさらっと流れていて「サロメ」の方が印象が強い。
    「風景」と「絵」は同じものと思われる。
    階段が二つ、森が一つ
    =男が二人、少女が一人
    または
    =前景に二人、後景に一人
    森にはあまり関心が向いていないので、後者の方がいい解釈かもしれない。

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