敗北回の夢

コロコロに掲載されていそうなロボットものの漫画を読んでいる。闘技大会のクライマックスで、主人公とライバルの戦いが行われようとしている。二人とも魔神英雄伝ワタルくらいの大きさ感の機体に搭乗している。ライバルはロックマンエグゼのライバルキャラのようである。絵柄は丁寧で上手く、オールマイティーなタイプ。

主人公はライバルの祖父を気遣う言葉を口にする。ライバルもそれを跳ね付けたりはしない。二人は既に一定の関係を結んでいるように見える。この会話を聞いて第三者(主人公の友人など)が感心する。「最大の努力 目の前の敵……それでこの会話か」

ライバルの祖父は老齢の国王か何かの大人物であり、主人公の素質を見込んでいるが、病気か何かで危うい状態にある。

ライバルはビームサーベルをゆっくりと逆手に構える。それが常の構えである。しかしページをめくると「いくぞー♥」と常ならぬ掛け声を発している(小口側にある台詞なのに、なぜかノドに隠れて読みづらい)。その瞬間、主人公機の胸は既に切られ、ロボの目がかすみ、電気がバチバチ鳴っている。ライバルが本気を出したのだ。

主人公は果敢に戦うが、その攻撃は全ていなされ反撃を受ける。ページの上2/3が絵、下1/3が説明文ないし台詞に充てられているレイアウト。

「その叩きつける能力、ザコ一人をはね除けるにはいいが……今は使わない方が被害を抑えられたのにな」
念力のような能力を使ったら、合気道のようにその力を利用されてダメージを返されるシーン。

「その絡み脚、主人公が最も使いやすい多脚戦の推奨形を他の脚型にも当てはめているだけ……横暴で安直な絡み脚」
脚で絡みついて柔道技に繋げる戦法を防がれたシーン。

「ライバルが赤帯で行こうとしていたら、黒人が黒帯で入学してきたようなものだったのだ……」
よくわからないが「これまでライバルは手加減をしていた」という旨の言葉。

主人公が敗北したシーンは直接描かれない。ページをめくると右ぺージに

「〇〇(主人公の妹)は想像したことがある 云々(忘れた)」
「また 王(黒髪、ライバルの祖父とは別人。この戦いの直前に死ぬか瀕死になった)は想像したことがある いったん食べたバラを取り出して元通りにすることができようかと」

また左ページに、気絶して搬送されベッドに寝かされる主人公の絵。バラの比喩は、主人公の敗北があまりに意外だったので、その前後で世界が変わってしまったという意味。

「みな ××(主人公)が負ける訳がないと心の底では信じていたのだ」

何かの事情を知る王の側近たちが主人公の元に向かう描写でヒキ。側近たちはこうなることを知っていたが、ここで主人公の次の行動をコントロールする必要があるらしい。

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