黄巾の軍勢の夢

ドラマで、黄巾の軍勢が山間の道を進撃してくる映像を見ている。それは韓国ドラマの古代の戦争場面のようである。秋~冬の時期で、山林は枯れている。

それはtwitterでの誰かの発言に対する動画レスで、「映像を見れば、あなたのいう白色の旗の軍勢ではなく黄巾の軍勢が移っていますよ」という指摘に使われている。そのレスを受けた人は「いま仕事中なので、後で手持ちの映像を確認してみますね」と丁寧に返している。

後ほど、その人が実際に確認した映像が流れる。なんとそのバージョンでは、黄巾ではなく白色の旗をさした軍勢が描かれている。そちらのバージョンも実在するものだったのだ。旗だけでなく兵士の装備も若干異なり、顔の下半分だけを覆う独特のマスクを付けている。旗の色、文字、装備以外はそっくり似た映像で、2Pカラーのようである。僕は自分で資料をあたることの大切さをしみじみ感じ、そのような検証を丁寧にやる人に尊敬の念を抱く。

ロートレックの「サロメ」の夢

大学へ行く途中の登り坂の左側に古い建物があり、感じが気に入っている(現実にはその状況自体ない)。その建物が最近改装されたらしく、長く細い石の階段が二つある、やはり感じのいい建物になっていた。二つの階段は同じ地点から登り始めるようになっていて、直角あるいはそれより狭い角度をなしている。階段の側面は壁になっていて、別の壁との間に挟まれた空間は路地のようである。その路地は山の方へ続いているのかもしれなかった。建物は薄黄色っぽい。道と建物の間にはやや大きい排水溝がある。

排水溝を踏み越えて階段の写真を撮っていると、大学生らしき男に声をかけられる。そこの溝にはツチノコがいると言われていて、ツチノコを探り当てるための長い棒がそばに設置されている。そういう観光資源のようだ。男はツチノコを探そうと誘いをかけてきたのだ。が、僕はあまり気が進まない。これは単なる観光資源だろうし、今は建物の方に関心を向けているのだ。(とはいえ、そこにツチノコがいるとも思うが)

mandara2
 
 
 
美術展に来ている。美術館ではなく広めのギャラリーである。まだ開けたばかりで、いま準備途中らしい。

絵を見ていくと、ロートレックの「サロメ」に目が留まる(現実のロートレックの画風とは異なる)。それは油絵で、全裸の少女が中央に描かれている。絵に収まっているのは膝から上、あるいは腰骨から上。少女の背後には全裸の男が立ち、男のペニスが少女の頭の上にある。男はへそ辺りから下が絵に収まっていて、顔は分からない。その位置関係から「少女の背丈はとても低い」と判断する。二人とも正面(こちら側)をまっすぐ見ている。二人の背後には、全裸の男がもう一人小さく描かれている。そちらは後ろ姿である。こちらから見て左側にいる。場所は何かの舞台裏、楽屋のようである。ドガの「踊り子」を思わせる、バレエの売春的な面を表している絵のようだ。タッチは粗く、顔の造作などは油絵の具が糸を引いた跡を使って最小限に描かれている。

絵の解説を見ると、男のペニスが勃起していないという旨が書かれている。絵を写真に撮るかどうか迷う。撮ってよいことにはなっているが、美術展で絵を写真に撮るという行為に慣れがない。きりがないし、画集もあるかもしれない。

他の絵に移った後、ふと戻ってみると、先ほどの「サロメ」が見当たらない。それより以前の絵も、さっき見た時とは配置が変わっている。さっきは準備中だったので、あれから絵の配置が変えられてしまったのだろう。「サロメ」は倉庫に戻されたのかもしれない。撮っておけばよかったと思って、さらに何度か壁面を探し直す。

殺人ワラビーの夢

自室。母と弟が掃除をしている。弟が掃除機で漫画の写植を吹っ飛ばしたので「バカじゃないの」となじる。落ち着けなく、トイレ掃除がまだのようなので、どうせなら僕も掃除をしようと思う。

東京の寮(現実にはない)で同僚と飲む。その写真、あるいは同僚だけで飲んでいる写真が後でスマホに送られてくる。

大学のような場所。Bが知らない女性と争い、何か条件を引き出そうとして食い下がっている。Bは「死の間際の失禁で、自分の財産の在り処を示すこともできる」という。女性はBに呆れているようだが、自分のメンターである占い師を紹介することにする。女性はBに「過去と向き合え、過去に何かあっただろう」と説教する。Bは弟にいじめられていたことがあるといい、占い師の小屋に入っていく。僕はそれを遠巻きに眺めていたが、Bが小屋に入ってしまったので、そこで立ち去る。

僕は図書館に歩いて行く。入り口付近のスペースに数人の人が座っていて、その中にMがいる。僕は気付かないふりをする。図書スペースに入る寸前、やはり図書館に用事はないと思い直し、踵を返して出ていく。

旅行をしているのか、バスの乗り継ぎをしたりする。

駅前エリアのような歩道橋の上にいる。橋の端っこに行くと、眼下にシャッターだらけの区画が目に入る。そこは一見壁に囲まれたかのようなさびれた区画で、開いている店は最後の1つだった。そこに猫が何匹も集まってきて、会議が始まろうとしている。

よく見ると、猫は体躯が通常より大きい。目の錯覚かもしれない。同行している友人(定かでない)に「でかくね?」と声をかける。すると、その区画にケンタウロスが登場する。上半身は人間の女性、下半身は明るい茶色の馬である。後ろ姿で顔は見えない。驚愕していると熊のような動物も出てくる。それはアリクイのような長く鋭い爪を持ち、体は大きく走りが早く、性質はおそらく獰猛である。

僕は「ワラビーだ!」と叫んで逃げ出す。同行者たちも走り出す。その中にはNやOがいる。知らない女性が僕の鞄を持ってくれる。Oの走るスピードが遅いことが予想されるので、僕はその後ろに回ってOが遅れないようにしようとする。階段を降り、駅の反対側に行こうとする。慌ててショートカットをしようとしたりすると、かえって柵に引っかかったり怪我をしたりするかもしれないので、「慌てずまっすぐ行こう」と皆に声かけする。

駅前のバス停エリアに出る。乗りたかったバスが出ていくところのようだ。僕はそれに気づかず道を渡ろうとして、同行者に「間に合わないよ」と止められる。鞄を持ってくれた女性に礼を言う。とにかくここから離れたいので、タクシーに乗って次の停留所まで行くことを一行に提案する。

豊臣秀頼の歌の夢

実家に泊まる。弟の部屋らしい(現実とは違う)。そこは2階か3階で壁は白く、屋根裏部屋のように天井か床が斜めになっている。枕もとのスマホを見ると、充電が切れそうである。見れば、充電のための線はコンセントにつながっていない。反対側の枕もとにはサイドデスクがある。そこにはろうそくが置かれ、水色の火が燃えている。

ドライブか何かで数人の友達(定かでない)と野外にいる。崖の上に立って見下ろすと、眼下に離れ小島が見える。Civilizationのように見下ろす視点である。その島では白い車と黒い車が囲碁のように陣地を囲みあい、妨害しあっている。海岸線まで黒い車の列が囲っていれば、白い車はそこから出られない。逆も然りである。白い車は警察勢力であり、黒い車は反社会組織かもしれない。

島は半島のように我々のいる土地と繋がっており、その境目あたりの林に農夫が住んでいる。やがて警察は島から引き揚げていき、反社会組織も引き上げていく。その両者が農夫の傍らを通り過ぎるとき、農夫はどちらへも挨拶をする。我々が上から覗いていたことが反社会勢力の注意を引かないか、少し恐れる。
 
mandara1_2
  
 
 
崖はコンクリートで整備された大きな坂に代わり、はるか眼下に土のグラウンドが広がっている。そこは公園である。用事が済んで立ち去る前に、同行の男(定かでない、爽やかな人物)が崖を降りてみたいと言う。それに付き合って、僕も崖を伝い降りてみることにする。

すると、崖を伝い降りる競争の祭りが始まる。それは市民の縁日であり、地域のイベントらしい。市民は男女でパートを分けて、誰が最も早く降りられるかを競争する。商品のカラフルなバッグが坂の両脇の溝に沢山置かれている。市民は群れをなして崖を降りる。僕は端っこの溝のあたりをマイペースに降りていく。

場面はそのまま隠し芸大会、あるいは試験に移行する。細長い教室で二人一組になって着席し、それぞれの組が芸を競う。女学生がピアノの演奏などを行っていく。自分にできることがあるのか不安になる。

豊臣秀頼の番になる。彼はドラマで豊臣秀頼役を演じた役者で、顔のあばたが特徴的である。イメージは逞しく、服装とキャラクターは豊臣秀頼である。秀頼が立つと、合いの手を入れたい者が4~5人同時に立つ。彼らはファンである。

秀頼は演歌のような歌を歌いあげる。たいそう美声である。しかしカラオケの故障か、途中で伴奏が無音になってしまう。秀頼はアカペラで歌い続ける。故障に対して誰も行動を起こさないが、終わり際になって気の利く者が立ち、線が外れていないか等を調べ始める。

脳こぼれパンチの夢

修学旅行か何かでホテルのロビーのようなところに来ている。ホテルというにはやや無機質で学校っぽい空間か。天井が高くガラス張りになっていて、空港っぽい。

集合の時に自分だけ着替え損ね、パジャマのまま訓練が始まってしまう。それは軍事的な訓練だが、初等であるため、心得や座学のような雰囲気が強い。生徒はジャージで三角座りで並ばされる。教官は必ずしも厳しくなく、バランスの取れた感じである。自分だけパジャマを着ているのが気になり、ロッカーの上に乗っている服をパッと取ろうとするが上手くいかない。

上空を正体の分からない飛行機が通り過ぎる。それは敵の軍用機かもしれない。徴兵が始まったのだという実感が少し出てくる。厳しい女教官が「ヌンの子ヨシュア」がどうのこうのと檄を飛ばす。

何事かが起こり、教官たちが自分たちの軍用機を出動させるため、一時的に場を離れる。その隙に着替えようとロッカーのところへ走る。タンスを開けるとカジュアルな服が多くて、着替えてもあまり似つかわしくないことに気付く。探しているうちに青いジャージを見つけるが、その時、横で格闘訓練が始まってしまう。教官がもう戻ってきたのだ。

教官は脳こぼれパンチについて説明する。それは手に嵌めるガジェットで、これで相手を殴ると自分の脳がこぼれ落ち、敵の頭蓋に侵入して乗っ取ってしまうことが出来るのだという。したがってこのガジェットを用いる敵と戦うときは、パンチを頭部に受けてはならない。そのことを踏まえ、教官は手に模擬ガジェットを嵌め、クラスメイトと格闘訓練を始める。
 
 
 
坂を上っていく主観映像。視点の高さはバスの後部座席くらい。それは軍事基地への坂を車両で上っていく映像であり、軍事ものの映画でお決まりということになっている表現だ(夢中の設定)。刑事ものにおける「警視庁」映像のようなものだ。しかしその坂は、以前住んでいたことのある場所(現実にはない)の近所であるため、映像を見ていても緊迫感がない。横で同じ映画を見ているGに「緊迫感がないね」と言う。

徒歩で坂の続きを上がっていく。避難である。道は山間の住宅街の裏道という風情になり、廃線になった線路を通っていく。小さなお年寄りが大きな白い荷物を持って苦労している。「手を取ってあげるべきか?」とGに言うが、それで助けになるかわからないので、結局何もしない。さらに上がると、踏みしめる道には金網のようなものが埋まっている。側溝の蓋に使われるような分厚い金網である。

避難所にたどり着く。fallout4の冒頭、vault前の雰囲気を思わせる。近所の人たちが集まり、列を作って避難所に入っていく。ここで親族や家族と合流する。父がいる。父の兄弟は軍事閣僚であり、この場にはいないらしい。もう一人の父の兄弟は、その地域の一族の若旦那であり、復興のために力を尽くしていたような人物だった。それも避難のため一時中断しなければならない。(現実には父に兄弟はいない)

山頂の避難所はもとホテルらしい。テニスコートのように、野外と屋内の境目がない空間である。お菓子がそこらに沢山落ちている。そのホテルはもともとお菓子屋だったらしい。母がチョコレートを拾っている。ポッキーが沢山ある。「父母と同時に死ぬことになるなら気は楽だ(後に残す者がないから)」と思う。

SMAPの夢

弟あるいは家族と行動している。地下鉄のホームに来ていて、乗る予定の電車を次々と逃す。あるホームに来れば、乗るべき電車は向かいのホームにいると判明し、あるホームへ降りていこうとすれば、そのホームから乗りたい電車がちょうど出ていく、といった具合である。
 
SMAPと行動している。僕はどうしても体あるいは頭を洗いたくて、非常に広いトイレで洗うことにする。そこは居酒屋のようなトイレで、それぞれの個室に居酒屋の個室くらいの空間がある。しかし電車の時間が迫っているため、シャンプーをした後流さないまま次の電車に駆け込むこととなる(SMAPと)。

僕はSMAPに対して、ディズニーランドの着ぐるみに対する子供のように接する。実際に子供の姿になっているかもしれない。SMAPの上司との会食のような場に連れて行ってもらえるらしい。SMAPは各自の意思で活動していて、今日は草薙くんが別行動をすることになったようだ。僕は、やはりどうしても頭のシャンプーを流したくて、発車間際の電車からとっさに降りてしまう。

僕は髪を流した後、あてもなくさまよう。やがて、図書館の中庭のような場所で草薙くんを見つける。草薙くんは一人で静かに時間を過ごしていて、話しかけていいものか迷うが、思い切って姿を見せることにする。草薙くんは紳士的に対応してくれ、結局、他のメンバーと合流することになった。僕には都合がいいが、無理を言ったようで申し訳なく思う。
 
 
 
自室にいる。現実の自室ではなく、小ぎれいだががらんとした半地下の部屋。壁や床が白い。

知らない男が訪れており、僕とGが彼の対応をしている。男は若く、大学生か大学を出たばかりといった雰囲気である。明朗に振る舞っているが、揶揄するならば「意識高い系」という感じの人物であると僕には思われる。

僕はいったんトイレに行く。トイレはとても広く、窓から日の光がさす。男はその間、トイレが空くのを待ちきれないという感じでせわしなくしている。その後、僕はトイレから出る。

男は距離感の取り方がおかしく、いきなりGにジャンケンをさせ、勝ったら「勝ちましたし〇〇の話をして下さい」というような要求を出すクセがあるらしい。かなり不快なので、僕は「勝手にジャンケンを始めるのをやめた方がいい」と男にアドバイスする。男はショックを受けたのか、うずくまったり仰向けになったりする。男は黒い服を着ていて、身体の厚みが妙に薄い。

コロコロアニキのようなコンセプトの漫画をGや男と見る。
 
 
 
スプラトゥーンのセーブデータが消えてしまったので、一人モードを一から始める。実際よりオープンワールドなシステムとなっており、インクは無限供給でなくアイテム制である。じゅうたんの敷かれたホテルのような廊下を、アイテムを拾いながら進む。

飲み屋スペースに着く。カウンター席に座っている男に勝負を仕掛け、ブキを突きつけるが、インクが思うように出ない。男は余裕の表情で、ゆっくりと席を立ち、いったん外に出て、また戻ってくる。そして再び席に座り、いま買ってきた新しいブキの包装を開け始める。僕は何度も男を撃とうとするが、インクが思うように出ない。

どうやらインク切れを起こしており、インクの補充に出かけないといけないことが分かる。男は親切にも、その旅に付き合ってくれるという。もう一人、知らない女イカがついてきてくれる。途中で、インク切れを起こしているのは黄色のインクで、赤のインクなら若干持っていることに気づく。メニュー画面を開き、赤のインクをサブマシンガンのようなブキにセットする。

廊下に出ると、カラーギャングのような敵団体がたむろしている。彼らと戦闘することにする。サブマシンガンを撃つが、赤のインクも十分あるわけではなく、出方がしょぼい。敵を倒せそうにないので、いったんガラスの戸の向こうに撤退する。その間、敵は本格的に攻撃してくるでもなく、お化け屋敷のお化けのように振る舞ってくれる。

山小屋の夢

大学。火一の講義を取ることにする。興味がある分野にもかかわらず今まで履修していなかったのを少し不思議に思う。会場はホテルの広間のような場所である。

能楽部あるいは他の団体の行事で、先輩数人と山小屋にやってくる。稽古あるいは儀式が行われる。その後、散らばったゴミを片付ける手伝いをする。手に持ったビニール袋に、いろいろなゴミを分類して入れていく。

自分以外の人はいったん引き上げ、一人でしばらく待つことになる。レゴでミサイルとミサイル発射台のようなものを作る。導火線も付いている(レゴで)。その後、落ちている紙で漫画を描いたりする。

みんなでワークショップのように、床を散らかしながら漫画を描いたりする。再びみんながどこかに引き上げ、一人で待つ。みんなが戻ってくる前に、高校生の一団が部屋に上げられてくる。彼らは修学旅行か何かの一団であり、この部屋で昼食を取るようだ。旅館の都合もあろうし、今は自分一人で部屋を占有している状態なので、断るわけにもいかず、テーブルのセッティングを手伝う。

Aが付近に来ていると伝言が入る。宿の女将か、いずれかの先輩から入った話のようだ。

回転球おもちゃの夢

電車通学のため、阪急電車に乗り込む。車内は現実よりも広々としている。中学の時、やかましくて苦手だったクラスメイトが席で待っている。彼とは仲が良いらしい。

中学生の時住んでいた家のような家(そのものではない)。スチール本棚が並んだ父の部屋。青白い照明、くすんだ色のカーテン。父が「借りた本に間違えて書き込みをしてしまった」と笑って、机の上に本を置く。それは中国の民話を集めた大きな本で、動物図鑑くらいの大きさがある。その表紙に黄色のペンで「もうすぐ出る」と書き込んでしまったようだ(「出る」は出版する、世に出るの意)。同じものが2冊ある。その本が要るかどうか父に訊かれる、あるいは訊かれたらどうするか考えるが、特に要らないと思う。

疲れ切って眠る。

新しくはないデパートの一角で開かれているような古物市を見かけ、立ち寄る。棚5個くらいの小さなコーナーであり、他に行き場がなさそうな商品が並んでいる。僕の他に、初老の婦人の二人連れが商品を見ている。

眼鏡が色々ある。和風の装飾を施された、赤い重箱のような角ばった眼鏡。古そうな円眼鏡(実際に古い時代に作られたものかもしれない)。数万円の値がついている。その横にモノクルが置いてある。細かい作業をする時などに使う、眼窩に嵌めるタイプの拡大眼鏡らしい。興味をそそられ、実際に嵌めてみようとするが、売り物を装着してよいものかどうか迷ってしっかり嵌められない。値は3900円で、買おうかどうか迷う。

その横に、ピンポン玉くらいのサイズのゴム球のおもちゃがある。ギャグボールのように孔が透かし彫りに空いていて、中が見えるようになっている。中には高速で回転させることのできる機構があり、それを回しながらゴム球を持つと、ジャイロ効果のような力を感じることができる。

若い男の店員がやって来て「遊び方が違いますよ」と教えてくれる。正しい遊び方は以下のとおりである。ゴム球を専用の台の上に乗せ、内部の機構を回す。すると台の作用で回転にノイズが加わり、ゴム球自身も回転を始める。地球の自転にあたる動きだけではなく、ノイズによって動きがよれ、公転のような動きになる。そうなった時、内部の機構がLEDを光らせ、光の軌跡が図柄を描く。

さっそく専用台で回してみるが、動きがよれすぎて安定せず、なかなか上手くいかない。そこに小学生くらいの男の子がやってきて、球に興味を持ったのか、手を出してきて邪魔をする。男の子は内気なタイプらしく、一言も言葉を発しないと決めているようだ。可愛げはないと言える。男の子は球を地面に落とすなどした後、興味を失ってその場を離れる。

店員が「子供はしょうがないですね」と擁護するので、僕は「子供に何か期待することはないから気にしない」と答える。店員は「(一般的に言って)子供はここの物を欲しがりますかね?」と訊いてくる。万引きが発生し得るかどうかを気にしているらしい。

電飾的停電の夢

広くておしゃれな、美術展のような古書店に来ている。今日はセールか何かなのか、客が多い。そこはデッサン塾の先生が副業で運営していて、何かと試みているようだ。ふと棚を見ると日英対訳聖書が色々あって、欲しくなるが、棚が高くて手が届かない。

広い待合室のようなエリアに移動し、座る。そこで惣菜パンを食べながらゲームか何かをする。他人の少女が辺りをうろついたりしている。

誰かが横スクロールゲームをやるのを横で見ている。そのゲームは難しそうで、プレイしている人は上手い。しかしやがて敵にぶつかって死に、そのステージの初めからやり直しになる。
 
 
 
父と母と弟と旅行をしている。雨の中、駅で足止めになる。電車が動かないようだ。うどん屋や喫茶店は行列ができており、狭い待合室で座って待機することにする。

すぐ横に窓があり、そこから外を見ると、中くらいのビルが並び立つ商業エリアである。急に、照明を落とした時のような感覚がして、一つのビルの窓から明かりが全て消えた。

「停電かもしれない」

と呟く。一つの建物の明かりがまとめて消えるというのは、大元の供給が断たれたことを意味するように思える。恐らくこれから周囲の建物の明かりも消え始め、今いる駅も停電するだろう、と思えた。

しかし、そうはならなかった。周囲の他のビルでは電気が消えたりついたりし始め、異常が起きているのは確かだが、単なる停電ではないようだ。目に入る範囲のビルでは電気がめちゃくちゃに明滅し始める。珍しい光景なので、スマホで動画を撮ってみようと思いつくが、やってみると上手く操作できない。

弟はゲームボーイで何かしている。僕は描きかけている漫画のペン入れをボールペンでやっている。紙皿にお菓子が乗せられ、向かいの女性を経由して回ってくる。それはキャラメルのような飴のようなお菓子だが、特に食べたくないので断る。

疲れ切っていて、この後の旅程が思いやられる。何時間かバスに乗る予定だと思うが、そのバスも混むだろう。

行列が解消され始め、うどん屋の店内に通される。中はガラガラで、行列が出来ていたのは満員だったからではなく人手が足りないからのようだ。席に座り、僕は紙に「腕時計をはめている手」を描く。しかしこうしてボールペンで描いていても、そのままペン入れにできるわけではないから手すさびだな、と思う。

父と母と僕はテーブルに色々なパンフレットや書類を広げる。弟はゲームボーイを続けたいからと、席には付かず、壁際のベンチに座っている。テーブルを片付けて弟のスペースを空けると、弟が席に移ってくる。父が「仕事関係でデッサン塾の先生によく会う」という話をする。
 
 
 
雑誌の記事。モン・アミが名言を言っている。モン・アミは黒人の名俳優であり、頭頂部は禿げていて、耳の上周辺にだけ白い髪がまとまっている。すっきりとした細身の長身で、色付きのYシャツを着、若く見え、フォーマルで知的な雰囲気をたたえている。顔つきは白人的で、印象はあっさりしている。

挿絵とアメコミの中間のようなページ。ニット帽を被って緑のジャンパーを着た黒人ヒーローが描かれている。ヒーローは悪党に捕まってリンチを受け、「笑ってみろ」というような嘲りを受けて「ニッ」と笑う。その片目は白いガーゼの眼帯で塞がっている。「おい、それは『ニッ』の笑いじゃねえか」と悪党は憤慨する。それはヒーローの心が折れていないことを意味する。このヒーローはスペースコブラのようにタフだが、目覚ましいアクションやスタイリッシュさが売りなのではなく、暴力に笑いをもって抗するような精神的な強さが特徴なのだ。ヒーローはやがて、自転車に乗って去っていく(窮地を脱したことが暗示される)。
 
 
 
僕は雑魚寝のような場所で目を覚ます。足止めを食ったまま、駅で一夜を明かすことになったようだ。ただちに夢を思い出しながらメモを記そうとする。

「マチュラン・ピカールとその妻と旅
 彼はいう『努力が肝要』
 なぜか苛立たしい」

ここでスマホが落ちる。電池切れだろうか。辺りに充電器がないか探す。

木銀酸の夢

Gと近所のパン屋(実在しない)に来ている。フードコートのような場所の中にあるパン屋で、かなり人気らしく、混んでいる。いったん諦めようとするが、長居している人などが立ち去ったので座ることができた。近所付き合いのムードが漂っている。

持ち帰りでピザパンを買うことにする。焼けるまでの間座って待つことになる。巨大な電子レンジのような窯が客席に面して置いてある。それで焼くのかと思うが、奥にも窯があるらしい。待っているとなかなか焼きあがらなくて、どの窯で焼いているのかといったことが気になりだす。

何かのきっかけで近くに座っていたお爺さんaが話しかけてくる。話し慣れていないようで要領を得ないが、どうも木銀酸という精力剤によって自分に活力が戻ったという話をしているらしい。その話を詳しく聞こうとする。「近くの駅」というキーワードが出る。

別のお爺さんbと、近くの待合室に移動して話し始める。bはお爺さんというよりは若く、妻と一緒に来ている。bがGに対して馴れ馴れしい態度をとるので気にかかる。

「近くの駅」というのは今治にある駅で、こだま駅という名前らしい。聞いていくと、その名前はbがやっていた古い店の名前に由来するらしい。bがどこかに行き、その妻が続きを話す流れになる。

いつの間にか、そこは焼き場か何かの待合室のような場所であり、ここに来ている人は僕の父の死か何かをきっかけに集まった人々である、という設定になっている。僕は唐突に、「(家父長制的な)伝統的家族」に含まれない同性愛者や婚外子といった属性をもつ人にとって、葬儀は常に望ましい待遇が得られる場とは限らない、という問題のことを考える。

一旦目が覚めてまた眠る。

夜、自室。Gが出かけ支度をしていて、何かすごい勢いで出ていく。声をかけるとGは戻ってきて、何かをいきなりこっちに向けて驚かせてくる。それはドライヤーのようだった。鬼気迫った雰囲気なのか冗談なのか分からず、追いかけて玄関先で声をかけると、Gは「下まででいいから持ってきてくれ」と言う。外は暗く、紫色の小さな携帯照明のようなものが宙に浮かんでいる。

何を「持ってきてくれ」というのか分からず、後を追いながら何が要るのかを訊く。階段は現実より長く下に続いていて、いつしか人が大勢いるフロアに出ている。がやがやしていて夜行バスの待合所のようである。何が要るのかを重ねて訊いていると、「足で抜くやつ」と答えが返ってくる。何の話なのか依然分からない。

そこは精神科の待合所で、Gは急な異常を感じてここに来たのかもしれないと思う。何なのか考えてみようとするがよく分からない。夜であるにも関わらず沢山の人が待っている。